初体験の思い出を語ろうと思う。すこしも艶話にならないことを初めに断っておかないといけない。読者諸氏の期待には応えられないだろう。私の初体験は初夏の日差しが強く、思わず手で庇を作りたくなるくらいの日であった。特定の相手などいない私は世にいう出会い系サイトで出会った人と約束をしていた。きっと緊張することだろうと思っていたのだがそんなことはなかった。私は本を読みながら約束の相手を待っていたのだがいつのまにか夢中になっており、不意に肩を叩かれるまで全く気付かなかった。見上げるとそこには女性がいた。
「待ち合わせの方ですか?」
そう尋ねる女性に私はうなずくと、彼女は向こうを指して
「あっちに車があります」
こうして、車に乗っけてもらい、ホテルへ向かった。
初めてのラブホテルだ。エントランスから入り、部屋についてみると目につくところに電気按摩器があったものの「こんな感じか」という印象だった。
女性が寝転がると無造作に行為が始まった。私は女性の導きに従って、太ももをぎこちなく愛撫していく。こんなにも肌の質が違うのか。愛撫しながらそう思った記憶がある。そしてだんだんと手は胸へと進み、ブラジャーと暖ぎ取った。乳房を優しくもみしだき、乳輪にそして、乳首に指がかかると女性は吐息をついた。そして女性を愛撫する手は今度は下へ。パンツを何とか脱がせて、女性がさらけ出したそのままの姿に私はとうとう出会った。
割れ目に人差し指を当て、陰核に触れた。だんだんと女性の吐息が強くなっていく。そして舌で女陰を舐める。そうすると吐息から嬌声に変わり始めた。そして女性は「入れてほしい」というので中指を膣に挿入してみると、そこは熱を帯びていた。陰核のあたりには愛駅のしずくが浮き上がっている。
今度は私が下になると、女性はズボンの上から私のものをさすり、かたや乳首を攻めてきた。自分の手によるのではない愛撫がもたらす快感はすぐに弾けた。私はズボンとパンツを汚してしまったのだ。
しかし、女性の愛撫は止まらない。「綺麗にしてあげる」と私のものに口をつけてくれた。舌と唇による愛撫は暴発していなければ耐えられなかったであろうものだった。長く、女性はフェラチオしてくれ、私はその快感に暖まれていたのだった。
そうしてとうとう女性は口を放すとコンドームを私のものにかぶせた。
その時がやってきたのだ。
女性には上になってもらった。女性の体重がかかり私のものが女性を貫いた。童貞を卒業したのだ。
女性に動いてもらったのだが、そのうち私のほうが動いてみたくなって下から突き上げるようになった。胸をもみしだきながら下からのその眺めを目に焼き付けようとしていた。
体位を変えて女性が私に覆いかぶさり、唇同士を重ねたり、首筋を攻められたり、がっちり抱きしめて密着感を楽しんだ。なかなか私はいけずに優に30分以上も挿入していた。
二度目の挿入でようやく腰の動きも少しましになり、女性の嬌声が聞こえるようになった。そしてとうとう女性の中でいった。
挿入したままフェザータッチで女性の腹や胸を撫でていくと、膣が閉まるのが分かった。
事後に、憑き物が取れたような顔をしていると女性は言ったが、それはまどろみから覚めたように静かに私の中で一つの区切りがついたからであろう。