今朝がた、妙にリアルな夢を見た。
そこに登場した人物は、俺にとっても(現在進行形で)大事な友達でもあり、何を隠そう俺が童貞を卒業した相手でもある亜美ちゃんだった。
夢の中での亜美ちゃんは、今から13年前に出会った時の姿であり、夢から覚めた俺は何やらノスタルジックな感じに包まれていた。
そして、、あの時の思い出を振り返ろうと今こうしてパソコンの前に座っている。
<19歳。俺>
俺のばあちゃんは北海道の小樽に住んでいた。(一方、俺は京都)そんな俺は、夏休みや冬休みの大型連休だけでなく、土日の休みに祝日がくっついた3連休の時などは、舞鶴から小樽行きのフェリーにのって北海道まで遊びに行く事が多かった。
当時のオヤジの仕事も経済的に順調だったし、何より家で騒がしいヤンチャ盛りの俺が、小樽の一人暮らしの祖母の家に遊びにに行くという事は、騒がしい俺がいない家でゆっくり過ごせるという意味で、両親も随分と楽だったのではないだろうかと思う。(今、実際に子をもって親の気持ちが分かる事もある、たまにはゆっくりしてぇ・・wみたいな)
そんな背景から、両親も俺に対し、舞鶴から小樽までのフェリー代の往復2万円。そして現地での小遣いとして、大型連休の時は2万円~3万円、三連休の時などは5000円~1万円の小遣いを惜しみなく手渡してくれたものだった。
俺にとっても小樽に行けば親から小遣いはもらえるわ、ばあちゃんからも小遣いをもらえるわ、そして何より、小樽という俺が最も大好きな場所に(これほど気軽に)遊びに行ける自分の境遇にとても満足していた。(今では祖母も他界し、小樽の家は取り壊され北海道にいく理由すらない状態)
こんな感じで俺は、1年の間に何回、舞鶴~小樽行きのフェリーに乗っただろうか。春休み、夏休み、冬休み、それ以外にゴールデンウイーク、そして通常の3連休、とにかく休みがあれば小樽に行くという習慣を、小学校の中学年から大学生になるまで続けていたので小樽行きのフェリーは、もはや俺の庭といっても過言ではないくらい熟知していたのである。
今から13年前の夏、俺が19歳の時のお盆の季節だった。
いつもは閑散としている舞鶴~小樽行きのフェリーの中も、このお盆の時だけは乗車率180%くらいなのじゃないかと感じるほど人間でごった返していた。例えが悪いが大型震災などで避難している学校の体育館のような、(あるいはそれよりも酷い)2等船室のカーペットの上には、所せましと人間が座っていたり、あるいは寝転がっていたりするのである。
そして通路にはサーフィンやボディボードの板や、大きなリュックサック、釣り道具、キャンプ用品、あらゆるレジャー用品が所せましと人間の歩行の邪魔をし、あちこちではテンションが高くなった子供が走りまくり、それを制止して叱る親たちの声が飛び交っていた。
お盆、この時ばかりは仕方ない。とう思い、俺は2等船室の中で俺ひとりが寝転がれるスペースを探し当て、なんとかそこに自分の荷物を置いて陣取ったものの、そこから動けずにいた。それはこのごった返した船の中で、自分の荷物を紛失するかもしれないという恐れと、少し席から離れたら他の誰かに席をとられてしまうんじゃないかという不安。
俺は暫く、船が動き出し周囲が落ち着くのを待ち、そこから売店なりトイレなりに行こうと考えていた。舞鶴から小樽まで約20時間。これはそうとう気合を入れない行けないな。なんて思っていた。
そんな時に、俺と同い年くらいの女の子、亜美ちゃん(19)が「あ、、すみません、横あいてますか・・?」と俺に不安そうな表情で訪ねてきたのである。確かに、俺の横のスペースは人が0.5人くらいは入れるようなスペースが空いていた。(俺が寝転がる時の為に、余裕をもって自分の荷物を置いてキープしていた空間だった)
俺はそのあまりに、可愛らしい、、、いや清楚であってなおかつ可愛らしい。相手の表情に(うわ、、めっちゃ可愛いこの子・・・)と心臓が、ドキイイ!!!!と高鳴るのを感じた。俺は思わず突然の対応にパニックになり、「ああ、、空いてますよ。どうぞどうぞ。」と自分の荷物を自分側に引き寄せ、空いたスペースを提供したのであった。
「ありがとうございます」そういって亜美ちゃんは自分のリュックをスペースの中に置き、とりあえず座るしかなかったのである。きっと亜美ちゃんにとっては、このお盆の時のフェリーというのは初体験だったのだろう。周囲をキョロキョロと見て回り、いつになったら落ち着くのだろう、と考えているのが表情から読み取れた。
そして、その微妙な空気の中、俺も何かしゃべりかけたほうがいいのか、と思っていたが、最初に口を開いてきたのは亜美ちゃんの方からだった。
亜美「お盆だから、、ですかね?」
俺「うん、だと思う。いつもはこんなに人いないから」
亜美「よくこの船のるんですか?」
俺「ああ、ばあちゃん家が小樽にあるからさ。小樽に行くときはいつもこの船使ってる」
亜美「へー、そうなんだ」
俺「そっちは北海道に旅行か何か?」
亜美「私は実家に帰るところです」
俺「北海道の人なんだ」
亜美「うん。大学がコッチにあって夏休みの帰省をする途中なんだけど、お盆の時期は避ければよかったかな・・w」
そんな当たり障りのない会話をしたのである。
しかし、相手の事に興味津々な俺であった。当時、俺も亜美ちゃんと同じ19歳ではあったが、俺が通っていた学校の19歳とはまったく別の生き物のように感じ取れたのである。それは俺の大学が3流大学の、定員割れしているようなクソ学校であるのが答えなのだが、俺が通う大学には、育ちが悪く、勉強もせず、バイトか遊ぶ事しか考えていないような奴しかいない。
だが、この目の前の亜美ちゃんは(後から知ったが)国立大学に通っており、教員になるために勉強しているという明確な夢を持ち、そしてなお、純粋すぎるその目、そしてその容姿。どこにも邪悪なものを感じ取れないのである。なんというか、ただでさえ容姿が優れた女の子が、さらに「清楚」という概念で身を包んでいるような、そんな雰囲気なのである。
そして船は定刻通りに出発し、周囲が「お、動いたww」と窓の外を一斉に見つめて景色が移動するのを注目し始めたのである。
俺「もうすぐ落ち着くと思うよ」
亜美「よかったw」
それから亜美ちゃんは文庫本を読み、俺は携帯を触ったりしながら時間が過ぎるのを待っていた。そして出発してから1時間が経過すると、案の定、走りまくっていた子供も疲れて親のところで座っており、大人もそれぞれのグループ同士で輪になって酒を飲んだりと、とりあえず外に向けての意識が無くなっているのが感じ取れた。
俺「買い物とかトイレだったら今だったらもう並んでないと思う」
亜美「ありがとw じゃ何か買ってくるw」
俺「うん。荷物と場所みてるから行っておいで」
そんな感じで、俺と亜美ちゃんは気が付けば、即席での旅は道ずれ状態となっていたのである。きっと周囲からすれば、カップルに見えた人もいるかもしれない(非常に不釣り合いなカップルではあるが)
そして交代で俺も売店やトイレへといき、そして食べ物やお菓子を買ってきて、亜美ちゃんと小さな空間の中でそれらを広げて、世間話をしながら空腹感を満たしたのであった。
出発から2時間経過しただろうか。そもそも舞鶴を出たのが夜の23時くらいだったと思う。2時間が経過すると船内アナウンスで「本日は〇〇フェリーをご利用いただきまして、ありがとうございます。本船は舞鶴港、小樽港いき、〇〇〇便です。・・・・・」みたいな出だしで時間がきたので天井照明を暗くします。という案内が流れたのである。
そしてもともとの明かりが100%だとすると、その半分の50%くらいの明るさへとダウンし、周囲で盛り上がっていた声が、遠慮をしてか一気にボリュームダウンしたのである。そして3時間が経過する頃には、照明の強さは20%の黄色い照明の色へと落ちていった。
俺「遅いから寝ようか」
亜美「うん。もう寝てる人もいるからね、迷惑にならないよう寝るのが一番いいかもw」
そういって俺と亜美ちゃんは、船から300円でレンタルしたザラザラした生地のけっして快適ではない毛布と、もともと船室においてあった四角くて表面が冷たく感じるかろうじて四角い形を保っているものの、実はフニャフニャの枕を使い、同じ方向に頭を向けて寝る事にしたのであった。
照明も薄暗くなり、あちこちでイビキなどが鳴り響く2等船室。その中で俺はまったく眠れないでいた。それはもはや、小樽のばあちゃんの家に行くという興奮や楽しみからではなく、この突然、俺の前に舞い降りた亜美ちゃんの存在の事が気になって気になってしかたないのであった。
そんな興奮状態になりつつも、所詮は19歳。昼前の遊び疲れも出てきた事があり、気が付けば俺も眠っていたのである。だが眠りは浅かった。40分置きくらいに目が覚めて頭の中で、また隣にいる亜美ちゃんの事に考えをめぐらし、そしてまた眠っては40分後に目を覚ましてを繰り返していた。
そんな寝ると覚醒の往復を何度か繰り返し、時計をみたら午前4時になっていた。
(もう、これ以上寝るのは無理だ。)完全に覚醒した俺は、それからヌッ。と背中を起こし寝る体勢から座る体勢へと変化させた。
そしてふと、隣で寝る亜美ちゃんの方を見ると、これまた(ドキイイ・・!!!)と心臓が壊れそうになる光景がそこにあったのである。
なんと、俺に背中を向けて横に身体を倒して寝ている亜美ちゃんのスカートが、少しめくれていたのであった。
そもそも、亜美ちゃんの当日に来ていた服装は、このごったかえしたフェリーの中では間違った選択だと言える。きっと亜美ちゃんも、こんな事ならもっと動きやすいジーンズにすればよかったと本人が一番そう感じているだろう。亜美ちゃんはこの時、ピンクのフレアの膝くらいまでのスカートを履いていたのであった。
そのスカートが寝ている時に、このザラザラした毛布との兼ね合いか、少しお尻側がめくれ上がり、角度によっては丸見えになる状態になっていたのである。(幸い、俺という壁がいたから他の人には見られる事は無かったと思う)
だが、その眠りながら壁であった俺が、今度は意思をもった目の動き、身体の動きを出来る状態となった以上、俺はオトコの本能としてドキドキしながら周辺を確認し(え、何アノ子、女の子のスカートの中覗いてる。とか周囲に感ずかれないよう)ゆっくり。ゆっくりと体を斜めに倒し、天井の電球色の照明に照らされて艶を出して光っている太ももの奥へ奥へと視界を映していったのである。
だが、ギリギリいい線まではいくのだが、さすがにコレには無理があった。もしこの周囲の乗客の誰かが起き上がって俺を見れば、確実に「覗いている」という動作をしていたからである。
(そうだ!!!!!!)その時俺が、ふと思いついたのは「手鏡」であった。俺は自分のリュックの中に、髭剃り、綿棒、爪切り、手鏡などが入ったビジネスマン用の旅行セットの中に手鏡があるのを思い出し、それを取り出す為に自分のリュックを漁ったのである。
そして取り出したるは手鏡。俺はこの手鏡で、一見、普通にあぐらをかいて、目が覚めて寝ぼけまなこで座ってボーっとしているニイチャンを演じながら、実は右手には手鏡を持ち、ゆっくりと亜美ちゃんのスカートの中にそれを差し込んでいる俺がいたのである。
この手鏡作戦は功を奏した。俺は胴体を一切動かす事なく、ただ手だけを動かしながらスカートの中に手鏡を差し込み、そして差し込んでいる手鏡の部分は、俺という壁と俺の荷物という壁が周囲を閉鎖し、周囲からは立ち上がってライトでも照らさない限り、俺の動作は確認が取れない状態となっていた。
そして手鏡に移ったのは、キレイにお尻の形に食い込んだ、亜美ちゃんの白いパンツであった・・・。
なんと表現するか、サイズが小さいのか?いや、きっとこういう肌にピッタリと吸い付く生地なんだろう。生地特有のシワなどがなく、完全に張りつめた生地がお尻という形を包み込んでいるような状態だった(スポーツ系の生地みたいな。伸縮性があるというか)
俺はそれから飽きもせず、亜美ちゃんが寝返って体勢を変えるまでの30分近く、ずっと周囲に意識をくばりながら、そしてドキドキしながら手鏡を見つめていた。あぐらをかいて足もしびれてきたが、そんな事はどうでもよくなっていた。
亜美ちゃんが体勢を変えるために、身体を動かしてからは、俺もスッと手鏡を収納し、今度は本当に「目が覚めてボーっとしている青年」を演じたのである。
それから数十分後、亜美ちゃんも目を覚まし、「おはよ、まだ朝にもなってないね」と声をかけてきたのであった。