中学に入ってすぐ仲良くなったのが渉でした。
母子家庭でお母さんと二人暮らしの渉、渉の家に遊びに行って、初めてお母さんを見たとき、衝撃を受けました。
純和風美人、着物を着たら、高級旅館の女将と言う感じでした。
渉のお母さん、みつ恵さん当時36才、俺の母と二つ下なだけなんだと、二重の衝撃を受けました。
みつ恵さんに憧れ、みつ恵さんに妄想を抱き、シコっては出す日々でした。
中学三年のとき、渉が俺に、母さんがお前のこと、よく誉めていると言われました。
礼儀正しいし可愛いし、ほんとよく出来た子だと言っていたらしいのです。
俺の妄想はさらに深まり、その思いは強くなりました。
高校では渉と別々になりましたが、友達付き合いは続きました。
そして高校二年のとき、渉に彼女が出来て、さらに初体験、童貞卒業したと聞かされました。
羨ましい、俺もと思いました。
そして初めてはみつ恵さんがいい、そう思っていました。
みつ恵さんは40になっていました。
みつ恵さんは、内科医院で看護師をしていて、木曜午後は休診のため、木曜午後は家にいることを知っていました。
俺なんか相手にされない、でも中学のとき、礼儀正しい可愛い子と俺を言っていた、なんて気持ちが入り混ざりながら、学校を午後からサボリ、何となくフラフラと渉とみつ恵さんの家と向かっていました。
家の前まできたけど、なんか行きずらい、みつ恵さんになんて言ったらもまとまらず、ウロウロするだけでした。
するといきなり背後から、弘樹君どうしたの?と声をかけられ、振り向くとみつ恵さんがスーパーの袋を持って、立っていました。
大パニックでした。
なんだかよくわからないうちに、家に通され、まだ学校の時間なはずなのにと聞かれ、来た理由を問い詰められました。
何をどう喋ったか、全く記憶にありません。
とにかく混乱してる頭のままを喋ったと思います。
まぁまぁ落ち着いてと言われると、みつ恵さんは優しい笑顔を浮かべていました。
渉も最近、彼女出来たみたいだしね~と言われ、そしてみつ恵さんは黙って考え込んでいました。
そして突然、うん、と唸り、いいよと言われました。
絶対渉には秘密に出来るか、それを言葉はもちろん、態度にも出さないように出来るかを聞かれました。
俺は誓いますと答えました。
今日はもう渉が帰ってくる可能性有りだから、次の日曜と言われました。