小、中と同じ学校の同級生の母と男女の関係になって、一年になる。
ずっと昔から家業を手伝っていたが、大学の途中で、近い将来に事業を継ぐためにがっつり経営の方にも首を突っ込むようになった。
家族経営の零細企業だったが、ひとりだけ従業員を雇っていた。
しかし、僕が経営にもタッチするようになって少し経ったころに、この従業員が母と不倫していたことが判明した。
当然のことながら、辞めてもらった。
母の浮気は今回が初めてではなく、完全にアウト。
母も家族の元を去っていった。
だけど、母もこの会社で働いてもらっていたので、戦力ダウンは免れず、新たに人を入れるといっても、即戦力なんかいなかった。
困り果てているときに来てくれたのは、同級生の母だった。
彼女とは、中学のときに彼女の息子が僕と同じ部活だったので、よく父兄の応援やお手伝いなんかで顔見知りだった。
ずっと、専業主婦していたというので期待してなかったんだけど、顔見知りだしとにかく猫の手も借りたいぐらいだったので、お試しに入ってもらったんだけど、テキパキと仕事をこなすし、まだ新しい仕事に不慣れな僕のサポートをしてくれて大変助かった。
結局、うちの会社は業績回復が難しく、これ以上不毛な借金を重ねる前に潔く清算することになった。
だけど、僕は起業そのものに興味がわいて新たにフリーとして仕事を始めた。
そのときに、まだまったく金を稼げていない僕のサポートを買って出てくれたのが彼女だった。
そんな彼女に報いようととにかく昔のツテを頼りに仕事を貰い、まわりの好意もあって少しずつ回るようになってきた。
オフィス兼住居として廃業したうちの会社の工場を使っていたけど、結局手放すことになってしまった。
実家もとっくに抵当に入れてたので、行くところがなくなってしまったが、彼女が知り合いのコネを使って元々ヨガの道場として使われていた古い物件をびっくりするぐらい安い賃料で紹介してくれた。
僕が彼女を好きになるのも、当然だと思う。
仕事も軌道に乗りかけて、彼女とふたりきりで深夜までオフィスに篭もる日々。
僕は彼女に告白した。
返事はもちろんNO。
だけど、気持ちは嬉しいと言ってくれた。
僕が気まずい思いをしないようにフォローしてくれてるのも十分伝わっていた。
彼女との距離がぐっと縮まってプライベートのことを話すようになった。
僕の母の不倫のことや、彼女の家庭、夫、息子の悩みなど、こんなことまでと赤裸々に話すようになる関係。
そんな彼女と初めてオフィスで酒を飲んだ。
別に特別なことがあったわけじゃないけど、たまにはいいだろうって。
ちょっと気の利いたツマミを用意して、オフィスの窓から見える桜を肴に温く燗した酒を飲み交わした。
母の不倫のこともあって、女性不信かも・・・と、酔って管を巻くと、
「あら?私に告白したのはどうしてですか?」と上機嫌でいう彼女。
彼女は年齢は感じるものの、綺麗だし、何よりこんなに支えてくれる女の人を大事にしたいと思うのは当たり前じゃない?というと、
「まぁ綺麗はお世辞として受け止めておきますね」とケタケタと笑う。
「だけど、一応は頑張ってるんですよ。毎朝ちゃんとメイクもするし。ユーイチにババアが若作りして誰に色目使ってるんだよ!・・・と言われましたけど」
「誰って、僕でしょ?お客さんと会うわけじゃないし」
「あら?こんな年増の色目なんかでいいんですか?社長」とからかうように笑った。
そう彼女は、普段は◯◯くんか、苗字の△△さんなのに、ふたりのときだけからかうように社長と呼ぶ。
「エミさんは、社長夫人になりたいと思わんの?」
自分でもびっくりするぐらい口が軽くて、もうペラペラとなんでも言えた。
「そうですね、一応頑張ってはいるんですけど・・・もうすぐおばあちゃんになるし(息子が出来婚したらしい)、
夫は会社の若い子と不倫してるし、
このまえなんか生理も終わっちゃいました、まだ私46ですよ」
そういって指を涙を拭く真似をする彼女。
「そんなわけで、社長、ありがたいご提案ですが、もう女として終わってしまったので、謹んで辞退させていただきます」
なんか達観した顔で笑う彼女。見ていて胸が苦しくなる。
「それじゃ仕方ないね」と一緒に笑ったあと、彼女を引き寄せてキスをした。
舌を滑りこませると、拒んでいたけど、恐る恐る舌先を出してちょんと触れた。
「ダメだよ、こんなの」彼女は顔を離して言った。
「エミさん、僕らパートナーでしょ?これからもずっと」
彼女は首に抱きついてきた。
明るいオフィスで、一枚一枚彼女の服を脱がしながら、身体をまさぐった。
舌を絡めて彼女の隅々まで愛撫にした。
僕が触れると閉経したという女性器が、黒のショーツをよれよれになるほどに濡らしていた。
ショーツからは、けっこうハミ毛してて、同世代の女の子にはない色気があった。
「エミさんの下の毛、はみ出ててすごくエロい」
僕がショーツを引き下げると、しばらく手入れがされていないラフが飛び出した。
「まだ冬だから」彼女は恥ずかしそうに言うと、
「言ったでしょう?私、もう女として終わってるって」と顔を股間を手で隠した。