僕が大学で下宿している頃、7歳年の離れた弟は登校拒否になりました。
それから家の中がゴタゴタして、父と母の関係は冷え切りました。
幼い頃から母は弟には甘いのですが、もっと弟は母に甘えるようになりました。
そればかりか、あるとき帰省すると、母と弟は当たり前のように風呂に一緒に
入るようになっていました。それも1度や2度じゃないようです。
僕は正義感に駆られて母を注意しましたが、あるときなど母は笑って言いました。
「お兄ちゃんが心配するような万一のことは起きないわよ。
だって触るとすぐ漏れちゃうし、指だけしか許していないから。」
僕は風呂の中の出来事を薄々察してはいましたが、不潔な感じを持ちました。
母によると、弟が『気持ちいいから触って』と言うのだそうです。
例えてみるなら母にとって、弟は手のかかる恋人やペットのようでした。
それ以上のことを僕は追求する勇気がありませんでした。