一昨日仕事帰りに叔母と食事したあと飲んだが、俺は今日こそ叔母に告白して口説こうと意気込んでいた。
焦る気持ちを抑えてガツガツしてるって思われないように何とか普段通り冷静に振舞おうと心掛けた。
いつもなら食事も飲むのも一軒の居酒屋で済ませていたが、この日は食事と飲む店を分けた。
それは静かな店で叔母に告白し猛アタックしたいから、居酒屋でと言うわけにはいかないと思ったから。
なるべく二人きりと言う分に気になれるBARを選んで叔母を連れて行った。
叔母はBARに入るなり「えっ?なに?すごく素敵なお店じゃない」と気に入ったようだった。
金曜日の夜にしては空いていて、カウンターではなく二つだけあるボックス席に座り飲み始めた。
良かったのは、空いていたとはいえBGMのジャズとカウンター席の客の声で、俺たちの会話が他人に聞かれずに二人の世界のようだったこと。
俺が「こないだ話したことなんだけどさ」と切り出すと、叔母が穏やかな笑みを浮かべて「え?こないだ話したことって?」と聞き返してきた。
「美絵ちゃんと付き合いたいって言ったでしょう、あれ本気だったんだよ」と言うと、「なんだ、あの話?気にしないで、半分冗談だから」と言って笑った。
俺は「半分冗談」と言う言葉にチャンスありと思い「ってことは半分本気とかOKってことだよね?」と返すと叔母は意味深な笑みを浮かべて「まぁね」と言った。
俺が叔母の眼を見つめて「じゃぁ俺は半分に賭けるよ、マジで」と言うと「どうして?私のことがそんなに好きなの?」と聞いたので「好きだよ」と答えると、叔母は真っ赤になって俯いた。
ここは押せ押せだと思いいろいろな言葉で叔母を口説きにかかった。
多分30分くらい真剣に口説くと、叔母が「わかったわ、でも誰にも言わないって約束できる?」と言ったので「もちろん約束するよ」と答えた。
そして「私たちはいくら好き合っても法的には認められないの、それでも良いなら絶対に裏切らないって約束して」と言った。
俺は一言「全部分かってる、約束するよ」と答えると「ならば喜んで付き合うわ」と言ってほほ笑んだ。
一昨日の夜はそこまで、先ずは付き合うということが決まった。
これから叔母をどう攻略していくか、焦らずに考えて行こうと思う。