当時私は四十歳、息子は十五歳中学三年でした。
母子家庭で二人暮らしでした。
夜中、誰かが私の乳房を触っている、寝てる中のぼんやりした感覚、あれ?おかしい、直に触られている。
目を開けると、息子が私の傍らに膝立ちしていて、左手で私の胸を触っていました。
右手で息子は勃起おちんちんをしごいていて。
びっくりしました。
でも不思議なことに私は、起き上がって息子の行為を止めさせる、という行動にすぐなれませんでした。
夏でしたので、パジャマ代わりに着ていたTシャツとキャミをめくりあげられ、私が起きないよう、恐々触れてる息子を少しそのまま様子を見ていたんです。
どうしてそうしたのか、私自身説明出来ませんが、即息子を振り払う、止めさせるという行動には出ませんでした。
左手で私の乳房を軽く揉んだり、乳首を軽く触ったりする息子。
『あっ!』
息子の小さな声がして、宙をさ迷うようにしていた私の視線を正面やや下に向けると、薄暗いマメ電球の中、息子と目が合いました。
『母ちゃん、ごめんなさい』
息子は下げた短パンを上げて、中に勃起したままのおちんちんを押し込むように入れると、めくり上げたTシャツを戻し、背中を丸め、申し訳なさそうに、部屋から出ようとしました。
私は息子に何か言わなければ、その気持ちがありましたが、何と声かければ良いか、言葉が見つからず、焦った気持ちになりました。
そしてついて出た私の言葉は、こうでした。
『せっかくだからスッキリしていけば?』
自分自身、何言ってるの?と思いました。
息子は一瞬、振り向きかかりました。
でも息子は顔を戻してました。
『ほんとごめんなさい。母ちゃん、もうしないから』
そう言うと息子は部屋から出ていきました。
翌日から数日、息子と気まずいような微妙な空気になりましたが、時がそれを解決してくれました。
それ以降、息子がそのようなことをしてきたことは、ありません。
私が熟睡して気づかなかった、ということがなければですが。
『スッキリしていけば?』
私の言葉に息子が、それならばともしなっていたら、抜き差しならぬ事態に発展していた可能性大、私は後から考え、そう思いました。
引っ込み思案で臆病なとこがある息子だったから、息子は引き下がったのだと思いました。
私にそうゆう願望があったのだろうか?
全くなかったら、気づいた瞬間に息子を突き飛ばしていたんだろうな、と考えます。
現在息子は結婚して、お嫁さんと二人、仕事の関係で他県にいます。
あのとき息子が、そのまま部屋を立ち去ってくれて良かったな、しみじみと思います。