職場に出入りする保険屋のオバちゃん、やたらと世話焼きで独身の連中には片っ端から見合いの話しを持ちかけてくる。
一同慣れたもので、それぞれの手法であしらっているが、先日私にも順番が回ってきてしまった。
「○○さんまだ独身だったわよね・・・・?」
来た~ッ暖暖
「あってみない」そう言って写真を見せられたがはなから取り合うつもりはなく、むしろどうシャットダウンするか?
こんな度にいちいち面倒だし、いっそのことオバちゃんがドン引きして二度と話しを持ちかけられなければと思いつき答えた。
ゴメ~ン、俺まだその気ないし、同年代より年上に興味があるんで、みんなに内緒だよ。
「へぇ~そなうなの 、年上ってどのくらい?」
50代前半かな、○○○さん(保険屋のオバちゃん)くらいの、AV見過ぎだよね、おかしいでしょ?
内心これで勝てたと思ったが、しかし相手は上手で思わぬ方向にはなしが進展し始めた。
「そんなことないよ、私達の年代バツイチの子が多くて、再建する気も無くて若い彼氏と付き合ってる子も何人かいるよ、やっぱり独りだと寂しいのよ」
お~っと。
「紹介してあげようか?このまえ契約見直してくれたし」
ん~、どんな?
「53歳でバツイチ、貴方が見ればオバサンに見えると思うけど、可愛い子よ」
ほぉ~、なんかタナボタでいい話しじゃん、どうせ駄目元なんだし。
結局このままオバちゃんに話しを取りまとめて貰う約束をして、週末に職場の近所の居酒屋でおちあうことにした。
約束の時間に居酒屋に行くとオバちゃんは先に来ていた、既に飲み始めていて飲みかけのグラスがふたつ並んでいたが、紹介してくれる女は席を外していた。
「ゴメンね、早く来たんで先に始めちゃったよ、○○さん、とりあえず生でいい?」
はい、それで。
女がいないのを私が怪訝に思ってるとみたのか。
「大丈夫よ、ちゃんと連れてきたかから、今お手洗い行ってる」と言うや居なや、トイレの方向に目をやって「ほら、出て来た、あの子あの子」
んん~ッ?ってさ・・・・、俺のお袋なんだけど。