先日家に帰る途中に霙が降ってきた。
傘がなかった俺はびしょ濡れとまではいかないがだいぶ濡れてしまった。
当然霙は普通の雨より寒い。家に帰ってシャワーを浴びようと洗面所へ直行。
扉を開けたら同じような理由でシャワーを浴びてたと思われる妹に直面。
タオル一枚で半裸以上全裸未満といったかんじ。
いきなりのことに固まる妹、同じように固まる俺、数瞬の間を置いてハッとした俺はすぐに洗面所から出た。
「…悪ぃ、てか寒いから早く出てな」
「…ぁ、うん…」
…静寂の間、一瞬だけ見えた妹の裸が脳裏を過ぎる。
身長も平均的で胸もさして大きくない。しかし無駄な部分がなく華奢な体格は子ども過ぎず大人過ぎない程よいところであった。
「ねぇ、お兄ちゃん…」
「ん?」
「せっかくだからさ、…背中流してあげよっか?」
「……アホ、早く出ろ」
「…は~い」
…なんだか不貞腐れたように言われた。
冗談じゃなかったのか?
「それじゃごゆっくり~」
洗面所から出て来た妹はそう言って部屋に戻っていった。
シャワーを浴びながら、「あいつからすりゃ単なるスキンシップだったんだからやっぱ背中流してもらえばよかったかな?」と軽く後悔。