駅に着いた私を兄は迎えに来てくれました。
「里美 一人で来れたんだ 偉いぞ」
兄の手が私の頭を撫でました。
「子供じゃないもん」
ほほを膨らませて上目使いに睨みました。私は子犬のように兄に纏わり
付いて見上げました。優しい兄の笑顔が眩しく降り注いでいます。
「お兄ちゃん」
私は兄の体をギュッとしました。兄の匂いがします。スーッ音を立て胸一
杯に吸い込みました。
「お兄ちゃんの匂い いい匂い」
「おいおい人前だぞ」
「えへへへへ」
私はチョッと離れて、両手で兄の右手を持ちました。
「腕組んでもいい?」
「ああ いいよ」
私はピョンピョン跳ねる様に歩き出しました。
「兄いちゃん ジュース買って!」
「余裕無いんだけどなあ 里美の為だからなあ」
兄はロールケーキのおまけ付きで買ってくれました。
『ああん 美味しい?』私は妄想逞しくしてマンションへ向かいました。
二人は小さなテーブルを挟んで座り、ロールケーキ互いの口に運びまし
た。もう最後の一欠けです。
「ああ~ん」
兄は素直に口を開けましたが、手前でお預け!取って返したフォークは私
の口ん中に。口惜しそうに兄の唇が尖り膨れて見せます。
「ウフッ」
ピンクのトレイの上に乗せたケーキを見せて、目を瞑りました。兄は私の
意図を察し、唇を重ねてきました。ケーキの欠片は兄と私の間を行き来
し、小さく成って行きました。甘ったるさの残った舌を、中腰で舐め合い
ました。兄は小さなテーブルを隅に押しやりながら覆い被さって来まし
た。
チュジュッパ音が部屋に響いています。互いの手は唇を離す事無く 衣服
を剥ぎ取って行きます。熱を持った身体が擦れ合い、縺れ合い次第に紅潮
して行きます。私の口の中に兄の物が滑り込んで、蠢きます。私の下腹部
はヒクヒク感涙を流しています。
「里美 入れたい! ズッポリ入れたい!」
私は頷き、待ちました。ズボ~ッ突き進んでくる兄を感じ、ハアハア言っ
てしまいました。家では出せない声を上げて兄を受け止めました。ズンズ
ン ズンズン響いて、間も無くお腹の中で熱い物を感じた私は、仰け反り
兄を締め付けました。