亮くん 汗だくだくで帰ってきた。
「ただいま」
「お母さん 腹減った 何無い」
冷蔵庫に頭を突っ込んで漁っていいます。
「お母さん プリン食べて良い」
「おやつばっかり食べちゃ駄目でしょ もう直ぐ夕飯なのに 良いけど ご飯
もちゃんと食べるのよ」
「は~い」
私は鍋を掻き混ぜながら話しかけました。
「宿題は?あったら済ませなさい」
「ない!学校で済ましてきた」
「そう 亮 偉い!」
何処までも普通の親子関係です。何故か物寂しいのは私だけ?平静を装い
食事が終わりました。
後たずけを終えた私は手を拭きながらリビングに足を運びました。
亮はソファーに潰れる様に寝ています。『まあ まあ』タオルケットを掛けて
やりました。汗の匂いと亮の匂いが私の鼻を突きました。一旦は離れようとし
た私でしたが、気が付くと私は顔を近づけていました。スウっと亮の周りの空
気を吸い込み 膝を擦りあわせています。