少し重い話になるかも知れませんが、
よかったら読んでください。
私は31歳、ひとみと言います。
夫とは結婚5年目になり、3才の娘と三人で暮らしています。
夫に、これまでも、そしてこれからも隠していかなければいけない罪。
友人や知人にも話す事の出来ない秘密。
よくある不倫なんかだったら、
友人くらいには相談する事もできるでしょう。
でも私の罪は、
ここで見ず知らずの方々に読んでもらう事しかできないものです。
赤の他人にしか明かせない秘密です。
17年前、私が中学3年生だった夏。
初体験を迎えました。
相手は父親です。
それも実の父親でした。
当時思春期真っ盛りで、 幼い頃のように家族円満とはいきませんが、
それでもごく普通の家庭と両親だったと思います。
その普通の家族が、あの日から私にとって普通ではなくなってしまいました。
看護婦をしていた母親は、夜勤で夜いない日が頻繁にあり、
そのたびに私は父に抱かれました。
もちろん好き好んでそんな事をされていたわけじゃありません。
でも、学校の先生や友達に、
父親に犯されている…
そんな相談できませんでした。
だんだん自分自身が汚い物に思えてきて、
命を絶とうと考えた事も度々ありました。
でもそれさえできずに、自分が我慢していれば誰にも知られず、
誰にも迷惑をかけない…
そんな思いに至り高校を卒業するまで、
父親との関係は続きました。
高校を卒業して就職。
その頃、母親が夜勤の無い小さな病院に転職し、
夜父親と二人きりになる事が無くなりました。
私はそれまでの約三年間で、笑顔を無くしました。
人との交際も苦手になり、当然男性と付き合う事もありませんでした。
就職して一年くらい、父親との関係は無くなり、
少し気持ちも落ち着いてきていました。
でもある日…
真夜中でした。
父親は私の部屋に来ました。
母親が一つ屋根の下にいるにも関わらず、
父親は私を抱きました。
当然母親に助けを求める声なんて出せません。
二十歳になった春、私は家を出ました。
4年後、今の夫と知り合い結婚。
娘が生まれたのを機に夫とともに実家を訪れる事になりました。
実家の匂いは変わらず、元気が取り柄の母は笑顔で迎えてくれました。
歓迎を受ける夫は上機嫌、孫をあやす両親の顔も綻んでいました。
その中で、私の心だけは澱んでいました。