東京での生活がはじまりました。何とか部屋の整理も終り、恰好もついて来
ました。しかし最初が強烈な一夜だっただけに、一人切りの部屋は余りにも
寂しいものです。誰もが味わうホームシックの始まりでした。
しかし、それは又、誰もと違うホームシックでありました。母の温もりが恋
しい・・のです。
いつの間にか携帯に手を伸ばしていました。
母の携帯にメールを入れました。返事は直ぐに帰ってきました。
「頑張れ! ***君、私が付いてるよ、」
でもメールは何か気持ちが伝わってこないのです。
直ぐに私は
「今電話して良い? 誰かそばに居る? 話がしたい・・」
そうメールを入れたのです。
「大丈夫だよ! 一人だから・・私から入れるよ・・1分後にね!」
それを呼んでいる矢先に母から連絡が入りました。
「喜美江! 逢いたい・・」
「だめだよ・・私だって逢いたいけど・・無理言わないの・・」
「したい・・・」
「***、ダメだよ・・ソンナコト言っちゃ・・私辛くなるから・・我慢し
て・・」
母が優しく言いました。
「ごめん、我侭言って・・辛いね。離れている事がこんなに辛いとは考えな
かったな。」
「私も同じ思いよ・・直ぐにでもそこに行きたい気持ち・・してほし
い・・」
「喜美江・・」
「おかしくなっちゃってるよ・私の身体・・***のせいだからね。」
「そうなの? でも父さんとはしないで・・」
「シチャダメ? 」
「ダメダヨ・・いくら夫婦でももうだめ・・喜美江は俺だけとするの・・」
「***、バカ・・勝手なんだから・・」
「遠距離恋愛が上手くいかない訳判る様な気がする・・」
「そうね・・そうかもしれないね・・」
「逢いたい・・」
「大好きよ・・***、誰よりも貴方が好きよ・・信じて・・私を・」
それから暫く母と話を続けました。少しは気持ちが晴れました。
そして毎日決まった時間に話をする事を約束しました。学校が始ると昼間は
無理なので夜12時と言う事にしました。
最後に母は約束事の準備を始めてると言いました。
「有難う、楽しみにしてる・・早く逢いたよ・・」
母がこんなにも愛しく思えるたのは未だかって無かった事でした。
そして・・・次回の来宅日が決りました。