東京でのアパート探しを終えてからの後日談を投稿します。
アパートは何とか中央線沿線に見つけることが出来、最終日、家に帰る前に
契約を済ませました。その日は朝方まで母と欲望の限りを尽していましたの
でチェックアウトはギリギリまで延ばしました。母がシャワーを浴びた後、
裸のまま私の前で鏡に向かった姿を今でも覚えています。
それは、母が私に対して心をひらいたものだと理解しました。
家に帰るまでの間、母がその事を口にする事はありませんでした。
私もあえて話題にする気持も無かったですし、朝方の母との交わりに於いて
の母の様子で十分にお互いの心は繋がったと言う自負が有ったからです。
ただ家で父親と顔を合わせた時に、何となく後ろめたい気持になりました。
おそらく、母は私以上にそれを感じていたと思います。
父親への報告はその夜、母を交えて行ないました。時折、母が私の方に目線
を向けて来た時に、母と2人だけの秘密を共有する歓びに浸っていました。
翌朝、父親は私達2人の仲を疑う事もなく出勤して行きました。
私は母の気持をどうしても確認しておきたかった。この家で生活も残り僅か
です。それは当然の事だと思います。私は台所仕事をしている母に話しかけ
ました。
「母さん・・お願いがあるんだけど・・」
母が洗物の手を止めて振り返りました。
「えっ? 何・・?」
「それが終わってからでいいんだけどさ・・」
私の言葉の語尾に??? 不安を感じたようでした。
「あのさ・・しようよ・・アレ・・いいでしょう・・」
母の顔か白くなるのが判りました。
「***(私の名前です)、ダメ! 何言ってるの・・そんな事・・」
ある程度予想出来ない事ではなかったけれど、それが母の本心だとは思いま
せんでした。それはホテルでの母の姿を思えば直ぐに判る事でした。
「なんでそんな事言うのさ、俺と母さんはもう・・そうだろう?」
「だから・・だから言うのよ・・あの日だけの事にしましょう・・こんな事
いけないことなのよ、***だって判ってるでしょ、お父さんを騙すような
事母さんには出来ないわ・・。」
『そんなの勝手だよ、じゃあの時なんでアンナになれたんだよ・・そんなの
本心じゃないよ、勝手だよ、母さん!」
母が辛そうにしてるのが判りました。
「したいんだよ・・母さんが好きなんだ・・」
悩む母に追い討ちを掛ける様に自分の思いを告げた。
「もうすぐこの家を出て行くんだよ? いいじゃないか・・それで、それま
での間くらい母さんだって責任あるよ。頼むよ、母さん・・」
沈黙が続いた後、
「じゃ・・***が東京に行くまでと約束して・・ それなら私・・」
母が折れたのでした。私はそのことに対して何も応えませんでした。
「じゃ、いいんだね・・母さん!」
母が肯きました。
部屋は私の部屋にしました。
その話は次回にします。