昨日、息子を学校へ送り出して、私は一人で病院へ行きました。
息子を出産して以来の産婦人科です。少し恥ずかしくもあり、
大変に不安を感じながら検査を受けました。
検査も終わり、先生は無情にも、
「奥さん、おめでたですよ。久しぶりになるでしょうが、大丈夫でしょう」
私にそう告げました。
“息子の子供を・・・身篭ってしまった・・・”
予想していたこととはいえ、あらためて言われたことがショックでした。
夕方に息子が帰ってきたのですが、全く気がつきませんでした。
「お母さん・・・お母さん・・ただいま」
息子の声で気がついたのでした。
「どうしたの?なんか変だよ・・?」
電気もつけず、リビングでボーっとしていたのですから当たり前ですよね。
「ほら・・ただいまのキスしよ・・」
最近、日課になっている息子との『ただいまのキス』をしながら、
“ああ・・この人の赤ちゃんが・・・わたしのお腹の中にいるんだ・・・”
と、喜びとも悲しみともいえない想いが込み上げてくるのでした。
私は息子にしがみつき、さらにキスを求めてしまいました。
「ねぇ、どうしたの?なにがあったの?」
ひとしきりディープキスをした後、息子が聞いてきたのです。
私はもう耐え切れなくなっていました。このお腹に宿った子供の父親にも、
小さな生命の誕生を知ってもらいたくてたまりませんでした。
「ごめんね・・・伸幸・・・ごめんね・・・」
「どうしたの?なんで謝るの・・?」
息子は私の言葉にわけがわからない様子です。
私は息子にただ謝っていました。