妹との「初夜」が明けて、妹が作ってくれた朝食を食べると、「来週は週
末に来るからね」と言って帰っていった。
初出勤した月曜日からの5日間は、業務引継などで目が回るほどの忙しさ
だった。工場は産業用電子機器ユニットを生産していて、従業員数は約3
00名男女半々。まだ操業開始から10年しか経っていなくて、建物も新し
く従業員の平均年齢も30歳と若かった。私の仕事は、人事・労務・経
理・原材料仕入などで、生産活動以外のすべての業務を統括するポストで
ある。責任の重い立場であるが、経営管理システムが出来上がっているの
で、それらの維持管理をすることであった。
金曜日の夜に明日行きますと妹からメールが来て、土曜日の昼過ぎにやっ
てきた。車の後部席とトランクに布団や着替えなどを積んできた。
オイオイとは思ったが、一つの布団で一緒に寝ることの窮屈さを考えると
まあいいかと自分に言い聞かせた。
午後、寝室のしつらえや家から持ってきた調理器具を台所に並べたりしな
がら過ごした。夕食は外で摂ることにして街へ出掛けてみると、お手外食
産業グループの中華料理店があった。
妹の他愛のない話題を酒のサカナにして気持ちよく飲みかつ食べた。
ほろ酔いで帰宅して、まず交代で風呂に入り寝酒を楽しむ。
「お風呂が大きいと一緒に入れるのにね」と言い、山の温泉へ行きたいわ
と言い出してきた。旦那がゴルフと温泉が好きで、業界や取引先の友人知
人とゴルフ温泉に出掛けることがよくあるという。私はゴルフはしないの
でふんふんと聞いている。
ミク(妹)はもう慣れた雰囲気で寝室へ入り、「お兄ちゃんも今週は疲れ
たでしょう」と誘ってくるので、こちらも従うことにする。
この年齢になると若かった頃のように、バンバンと腰を打ちつけるような
セックスはできなくなって、時間をかけてじっくり楽しむスローセックス
になっている。妹も汗みずくになってするよりも、私のものをしっかりと
くわえ込みながら全身で快感を受け止め、よがり声をあげるのがいいよう
だ。アパートの壁が薄いのが気になるが両脇ともまだ帰宅していないよう
だ、などと考えていると時間稼ぎになる。
ミクはキッスも好きだ。舌を絡ませながら吸いついて離さない。
日付けが変わるころにタイミングを合わせて同時に逝く。ミクの中に思う
存分に放出すると、ミクは両手両足で私の身体を抱え込み、数分間締めつ
けてくる。
快楽と至福の境地に浸りながら、こんなこといつまでできるだろうかと男
の身勝手な現実が脳の片隅でちらちらする。