私:この時57歳 定年を3年後に控えて東北の工場の管理職を命ぜられ、
単身赴任。
妹:私より5つ下で52歳。私の任地の隣県に嫁いでいる。東京の大学時代
に知り合って結婚した旦那はこの地の出身で、父が創業した小さな金属加
工会社を補記継いでいる。月に数日間は出張する。
私の家内は仕事を持っているため任地へ同行できないが、近くに妹がいる
ので安心しているようだ。
会社は、定年を前に田舎の工場でのんびりしてきなさいという配慮だとい
う。それほど嬉しくもないが、何十年ぶりかで妹に会えるという密かな楽
しみがあった。
週末に任地のアパートへ付くと早速妹が来てくれて、生活に必要なものを
買いそろえたりしてくれて、近くの居酒屋で夕食をともにした。
久しぶりに見る妹はぽっちゃりと太った熟女で、真っ白な肌の色は衰えて
いない。
お酒が回ってくるにつれて、妹は「この歳になってお兄ちゃんに会えるな
んて」と喜んでくれた。高校生時代から妹が懐いてくれて、好きな人に振
られたと私の部屋で泣き明かしたときもあった。
いつの間にか時間が経っていて、車できたこともあってその夜は私のアパ
ートにとまっていくことにした。