下半身に重みがかかり、上半身が寒いので目が覚めると、ミクが半裸の状
態で私に身体を預けて眠っていいる。部屋の電灯が点いたままで、枕元の
腕時計を見ると日付が変わろうとしていた。
ほぼ同時にミクも目を覚まして、浴衣一枚で下に何も着けていないことに
気がつきながら、そのままでトイレへ行った。
トイレから戻ってまた私の布団に入ってきて私の下半身をまさぐってく
る。
「いつの間にか眠ってしまったのね」と私のものをさすさす撫でる。
「ミクのDNAの中に私のDNAと共通するものがあるのかな。こんなに
相性がいいのはそのためかもしれないね」
「こんなこといつまで続けられるかしら」
「私の方が先に、したくてもできなくなるだろうね」
「いや!そんな寂しいこと言わないで」としがみついてくる。
かけ布団を脇へ押しやると、ミクは私の身体にかぶさってきて女上位の姿
勢になって、硬くなり始めた私のものを玉門に導く。これまでしたことの
ない体位である。
根元までくわえ込んでから、腰を少しずつ前後左右にずらしながら何かを
探している。そのうちに先が何かで安定したような感覚があったとき、
「ここよ、ここ、お兄ちゃんがここにもいるの」と腰の動きが押しつける
ように強くなってくる。この体位は私に負担がかからないことを知ってい
るのだ。快感もそれほど大きくはないが、持続できる時間が長くなりそう
だ。ミクは両肘を立てた私の両手の指に、自分の指をからませて上体を支
えている。ミクの上気した顔を下から見るのは初めてである。
ミクの額から汗が流れ、首から胸へと汗ばんできて、私の肉棒も怒張して
くる。
「お兄ちゃ~ん、私もうだめ、逝きそう、逝くわ~逝くう~っ」と私の胸
へ身体を倒してきた。ピックン、ピックンと痙攣している。
この直前には私も射精していた。ミクの膣がきゅ~っと締まってくる快
感は初めてである。
ミクの汗を拭いてやり、お互いの秘部も丁寧に拭いてやる。まだ夜明け
には時間があるので、布団を整えて眠りに就いた。
障子戸の外が白々してきた頃に目が覚めて、もぞもぞしていると、ミクも
目を覚ました。朝食までにはまだ時間があるので、朝風呂へ行く。
先に部屋へ戻って携帯を見ると、嫁の志津子からメールが来ていた。
「このところ連絡がないけどお元気なの? 浮気しているんではないでしょ
うね(ニヤリの絵文字)。来週末には様子を見に行きます」とあって、
浮気の文字に女の勘働きの良さにドキっとする。
返信をしているとミクが風呂から戻ってきた。
「お義姉さんからの?」これもまた鋭い勘で女の怖さを知らされる。
「うん、週末にきたいらしい。部屋にあるミクのものはひとまず車に戻し
てくれないか。布団は袋に入れて押し入れの奥へ収納すればいいから」
ミクは明るく素直な性格だから、うまく隠してくれるだろう。
静御前(夫婦間では志津子をこう呼んでいる)をだましてきたことを詫び
ながら、これまでのブランクをどう穴うめしたらいいか、当面の大事な課
題になってきた。