「私達が離婚したからって言っても、あなたたちが兄妹であること
には変わりないのよぉ~」
俺は、妹の紗季を抱くたびに母の悲鳴にも似たその言葉を思い出
す。
両親が離婚して、俺は父と、妹は母と離れ離れの生活となり、自然
と俺たち兄妹は週末になると会うようになった。
だいたい、母の住むアパートに俺が訪れるという感じだった。
「お兄ちゃん~、寂しいよぉ~」そういう紗季がいとおしく可愛か
った。
それが今年、妹が高校に進級してから、今までと違う感情が芽生え
た。あどけなさの中に【女】を感じさせるものがあったからだ。
妹も自分の成長とともに俺を【異性】として見ていた。
だからそんな俺たちが兄と妹から男女の関係になったのは今思うと
必然的なことのように今は思っている。
お互いに初めての【相手】になれてよかったと俺たちは思った。
気持ち悪い。異常者。俺たちに対する人の目はそんなものだろう。
初めて妹とセックスしたとき、官能的で背徳的な中で紗季を感じた
ことは一生忘れることはできないだろう。俺の身体と紗季の身体がよ
どみなく繋がれたのはやっぱり俺たちが兄妹だったからではないかと
思っている。
俺たちは抱き合うたびに互いを欲し、妹意外に魅力的な女はいない
とい思っている。
ただ、母に二人の行為を見つかったとき、母の涙はどうしても忘れ
られない。
でも、もう紗季からは離れられない。母が言うことは初めからわか
っている。わかっていて俺たちは恋人なんだって。