吐き出し。
旦那からの暴力に耐えきれなくなり、娘を連れて逃げ出して、弟を頼った。
両親はもういないので、頼れるのが弟しかいなかったんだ。
私は、その時していた怪我の他にも、長年の暴力と、ストレスと、栄養失調で即入院。
その間に、弟がすべてを片付けてくれた。
入院費も、私名義になっていた借金も、旦那との離婚も、娘の転校手続きも、何もかも。
その後も私たちは弟の家に住まわせてもらい、私も回復していった。
だから、私の精神状態がその時おかしかったとか、そういうことはない。今でも、同じことをすると思う。
弟への恩返しという意味もないわけじゃなかったけど、でも実際はそうじゃない。
私たちは弟にとって面倒事でしかないのに良くしてもらっている、その不均衡さを少しでも戻すために、要するに私たちにも価値があることを、弟に面倒をかけてしまっても許される何かが欲しかったから、私は娘にも言い聞かせて、弟に体を差し出した。もうそれしか差し出せるものがなかった。
それと、正直に言うと、私は男が欲しかったんだ。旦那にあれほど酷い事をされていたのに、それでも男が必要だった。お金とかじゃなく、1人で生きていく事に漠然とした怖さがあった。今でもある。
だけど、どれほど素敵だと思える男でも、豹変する。旦那も結婚前は優しかった。結婚してもしばらくは優しかった。でも変わってしまった。
男は欲しい、でも怖い。それが弟なら、生まれた時から知っている弟なら大丈夫。そう思った。それに、すべてを解決してくれた弟が頼もしく思えて、私は弟の事が男として好きにもなっていた。
娘には、言い聞かせた。弟は私たちの恩人。その恩は返さなきゃいけない。でもたぶん私たちは一生かけても返せない。だからといって何もしないわけにはいかない。差し出せるものは差し出さなきゃいけない。差し出せるものは、もう体しかない。もう、意味はわかるよね。女としての体。セックス。倫理的にもいろいろ駄目な事はわかっている。でも、もうそれしかないんだ。強制はしない、なんて言わない。
そんな事を娘に言った。娘は笑って、そうだねお母さん、私もそう思うし、そうするのが正しくはないけど正しいと思う、と言ってくれた。
金曜日の夜、いつものように仕事から帰ってきた弟は、シャワーを浴びて、少しだけお酒を飲んで、すぐに自室に向かった。3LDKのうち2部屋を私たちに使わせてくれていた弟は、残りの1部屋を自室兼寝室にしていた。
5分か、10分くらいして、私は娘と2人で、弟の部屋に向かった。2人とも裸。
部屋に入り、布団の中にいる弟に、2人して三つ指をついて、抱いてくださいとお願いした。
恩返しではなく、私たちのために抱いてくださいとお願いした。
弟は、わかった、と即答した。
私の考えている事なんて、弟にはすぐにわかったのだと思う。
姉とその娘。近親相姦と、娘にいたっては同意だろうがなんだろか関係なく法律に触れる。処女でもあり、一生に関わるかもしれない。
それを全部飲み込んで、弟は、わかった、と即答してくれた。
その日は、結局私とだけした。
次の日から、弟の部屋に2人揃って裸で入り、三つ指をついてお願いすることが日課になった。
毎日、弟は私たちを抱いてくれた。
しばらくの間は私とだけで、娘は見ているだけだったけど、そのうち娘ともキスするようになり、娘の体を触るようになり、何日目かには女ともしてくれた。
私が娘の体を後ろから抱き抱えるようにして、足を開いたまま押さえて。娘は痛がりつつも我慢して、私の顔を見ていた。
1年、2年、3年と続けるうちに、弟も、娘も、それに私も楽しむようになった。男女2人でするセックスよりも出来るとが多く、快感も強かった。
夜の事は、秘密であることはもちろん、その時以外は話題にもしない、まるでなかったように振る舞うのが暗黙の了解だった。普段の日常生活は、一般的な家族に見えたと思う。誕生日を祝ったり、クリスマスやお正月を一緒に過ごしたり、夏にはキャンプに行ったりもした。
弟の援助もあって娘は大学に進んだ。すでに成人しているけど、今でも3人で一緒に暮らしている。
夜も続いている。裸で三つ指も、今でも儀式のようにしている。
弟も、娘も、幸せそうにしている。
でもすべては、私があの旦那と結婚したせい、私が男がいないと駄目なせい、つまりは私のせいだと思っている。それを言っても仕方がないのはわかっているから、絶対に言わないけど、言う事は許されないことだと思っているけど、時々、潰れそうになる。