俺には7歳上に兄、3歳下に妹がいます。
妹にとっては俺も兄になるんですが、俺は俺でいきます。
母はバツイチのシンママ状態で俺と妹を出産。
デキ婚で産まれた兄はともかく、俺と妹は父親は誰か分からずの非摘出子。
三人とも同じ母親から生まれてきたのは確かだけど、それぞれ父親が違う異父の兄弟妹だと思う、正式に調べた事はないので何ですけど。
そんな世間いろいろある複雑な環境の家庭の一つではありましたが、母の実家にある離れ屋で暮らし、基本的に生活は母屋の祖父母の協力世話を受けて育てられていました。
なんというか兄は気性が荒く、いつも不機嫌な様相でバリ威圧感を醸し出していて、極端に酷い暴力や虐待を受けてはいませんでしたが、俺も妹もよく怒鳴られてたり小突かれたりされて恐い存在。
兄に対し反抗できない、それなりの恐怖心を埋め込まれていた。
まあ歳の差とかもあり、普段そうそう殆ど兄と接したりしませんでしたが。
当然だけど俺と妹は小学生の時期が被り、妹が小学校入学したては一緒に登下校したりし、特別に仲が良かったというわけでもなかったけど、兄はさておき、俺と妹は世間一般ごく普通の兄妹のつもりだった。
そんな暮らしの中、俺が中2の時。
とある土曜日の昼過ぎ、帰宅すると家の奥から何やら言い争ってるような声。
不穏に思って玄関先で立ちすくんでいたら、兄の怒声と妹の絶叫悲鳴。
何が何だか訳分からず、ただただビックリ!驚き、めっちゃ恐くなって咄嗟に逃げるように家から飛び出した。
最悪の事とかも思い巡らせ、どれくらい経ったか記憶にないけど、恐る恐る家に戻れば玄関に兄の靴はなく、和室から微かな物音。
覗けば妹が啜り泣きながら雑巾で畳を拭いていた。
『何?、、何してん?』不意な俺の問いかけに、驚いたように上げた妹の顔は泣きむくんでいた。
妹は何も言わず、即座に立ち去り、自分の部屋に。
当日は気が動転していて何だったけど、兄と妹に何があったのか、だいたいの想像はできた。
その日から妹は俺を避けるようになり、学校へは登校していたけど、家では部屋に引き籠り、ほとんど顔を会わす事なく会話もなくなった。
それから兄がどれくらい妹と行為に及んでいたのかは不明ですが。
普段日常、下校帰宅すれば、妹の部屋から兄の声と妹の啜り泣き呻き声が漏れ聞こえたりする日とかがあり、その度に俺は気付かれないように逃げるよう外出していましたが。
そのうち日中、兄は俺が居ても平気で妹の部屋に出入りするようになり、激しい物音と妹の悲痛な喚き声が聞こえたりしたりとかも。
一度も現場を目撃したことはなく、ただただ兄と妹の様子を妄想していただけだった俺。
そんな俺が中3に進級した春。
専門学校を卒業した兄は、遠方での就職が決まっていて家を出て会社寮へ。
兄が家を出たからといって、妹の様子は大して変わることなく、ただただ俺を避けるように部屋に引き籠りがちだった妹だけど、兄が家を出だし後の予想と覚悟はしていたようです。
そんなんで最初、俺の問い掛けに一切答えてはくれませんでしたが、そのかわりか、何の抵抗もされませんでしたけど。
俺の童貞は妹に捧げました。