これは本当の話なんで、余り具体的なことは書けないので、皆様ご勘弁を。
俺には、2歳ほど上の仲のよい姉がいた。
小さい頃は家でいつもじゃれあって遊んでいた。
小学校に入ってからもいつも姉と一緒に登校していた。友達からはからかわれたが、俺は姉と一緒に登校し、家でもよくじゃれあっていた。
そんな生活を送っていたが俺が小学生3年のとき、両親は離婚した。
姉は母に引き取られ、俺は父に引き取られた。
俺はとても悲しかった。姉も俺も泣いて別れた。
父親へ結局俺を育てることができないので、結局祖父母の家に預けられた。
父親とはたまの日曜に祖父母の家に少し顔を出す程度で、そのとき、父親との交流は少なかった。
父親は暫くのあと、連れ子のいる女性と再婚した。俺は、父親と継母と同居することになった。継母は、悪い人では寧ろ実母より優しい人で、俺にはかなりよく親切にしてくれたが、何となく気が引けてしまう相手だった。
連れ子は2歳上の女の子で継母と同様背が結構高かった。
当初、義姉とは打ち解けられず会話を殆どしなかった。
継母は、義姉に俺と打ち解けるようにしろと言っていたらしく、次第に義姉の方から俺に話かけることが多くなった。意外と話があう人で、継母同様優しくて悪い人ではないとわかった。また、幼いころから母親と二人だけで生活しているせいか、わりとしっかりしている人だった。
俺が大学に入った頃、義姉がバイト先で実姉らしき人物を見つけたといった。実母の旧姓で下の名前が同じ、年齢も同じ、俺とどことなく容貌が似ているというのである。俺(義姉)の苗字はどこでもあるような苗字であるため、義姉が何者であるかは、実姉とおぼしき彼女にはわからない様子だった。
ただ実姉らしき彼女には彼氏がいた。
義姉は俺にこのバイト先の彼女と会ってみないか言ってくれたが、俺はよくよく考えて断った。
それから、少したってから、父と継母が自動車事故にあい二人とも他界してしまった。
父母の葬儀のあと、義姉と俺の二人だけで家に住むようになった。(生活費と学費は保険金で賄えた)
義姉には彼氏がいたのだが、両親が他界したころは別れていた。
義姉は継母が突然亡くなって落ち込んでいた。義姉は大女なのに気が沈んでいてしぼんで見えるぐらいだった。俺は義姉を元気づけるため、
「ねえちゃん、俺がねえちゃんのことを面倒みるから元気になってよ」
と言ったら、義姉は
「面倒みるって、どういうこと?」と言ってきた。
「面倒をみるということはええと…、とにかくねえちゃんを大事にするから心配するな。△△(当時の俺の彼女)よりねえちゃんの方を大事するからね」
と言ったら義姉は気分を持ち直してくれた。
その秋、義姉の大学の学園祭に行ってきた。
義姉が出店でやきそばやお好み焼きを焼いていた。
俺も出店の客となり、焼きそばを食べていたところ、一人の女が出店にやってきた。
俺は一瞬で彼女が義姉が言ってた実姉らしきバイト先の女性だと感じた。
彼女は義姉に、
「◯◯(義姉の名)、遊びにきたよ♪♪」
と声をかけてきた。
俺は彼女と顔を合わせたくなかったので、そそくさと義姉のサークルの出店を出た。