妹亜紀の結婚が決まったとき、亜紀は俺に話しがあると呼び出しました。
妹思いで優しいお兄ちゃんでいてくれて有難うとのことでした。
俺は妹に意識的に優しくしたわけではありませんでした。
争ったりするのが嫌で、妹との衝突を避けていただけです。
面倒くさい、それが本音でした。
でも俺はそのことを言いませんでした。
俺は内向的な性格で、友達と呼べる人も数人、女性となんか付き合ったこともなく、風俗店以外の女の子とエッチしたこともない、26才にして素人童貞でした。
妹は昔話しをし、とにかく優しくしてくれて有難うの話しを続けました。
照れくさくて早く話しを終わって欲しくて、そのことを言うと、本題はこれからと言いました。
妹は俺に言ったんです。
お兄ちゃん、女の子と付き合ったことないんでしょ?と。
したことないんでしょ?と。
私、お兄ちゃんとならしてもいいよ?と。
馬鹿なことを突っぱねましたが、妹は真剣そのもの、妹は冗談でそんなこと言う人間ではないことを知ってました。
妹は続けました。
そうすればお兄ちゃん、男として自信つくと思うから、考えてみてと言われ、話しは終わりました。
妹は新居へと引っ越し、式を挙げました。
煌びやかな妹を見て、俺は妹の言葉を思い出していて、本気なのかがわからなくなっていました。
しばらくして妹から呼び出しメールが来ました。
会いました。
どう考えたか聞かれました。
またしても本気なのかを問いただしました。
妹は答えました。
お兄ちゃんは人への優しさを私に教えてくれた、私はそれに対する恩返しがしたいのと、お兄ちゃんに女性のよさを知ってほしいからと答えました。
そしてこう言いました。
ただ、私じゃ役不足とか、私が好みじゃないと言うなら、仕方ないけどと。
決してそうではないと言いました。
ただ兄妹だし、妹はすでに結婚したわけで、旦那さん、義弟に対する申し訳なさとか、いろんな思いが交錯すると言いました。
それに兄としてのプライドもありました。
そのことを妹に説明しました。
すると妹はこう切り出しました。
そうゆうことは考えないで、頭を真っ白にして、したいかしたくないか、それだけ考えてと。
俺は追い詰められたように考えました。
出した答え、妹がここまで言うなら、でした。
さっそくお互いの予定から日時や場所を決めました。