妹がいる。
と言っても、若くはない。お互いにもう年だ。こちらは五十前。向こうは
四十になる。
私は結婚しているが、妹はまだ家庭を持たない。10年来の恋人はいる
が、なぜか結婚という形をとらないでこれまで生きてきた。求婚はされた
らしいが断ったという。以来、つかず離れず、今は同棲という形で一緒に
暮らしている。
断った理由を尋ねたが笑うだけで教えてくれなかった。こっちもベッドの
中で、汗まみれの肌を合わせたまま尋ねたのだから、間抜けと言えば間抜
けな話しだ。
妹が二十代の頃に、一方的に求めて関係を持った。さしたる抵抗もなく妹
は関係を受け入れた。早くから家を出ていた私は、まだ子供でしかなかっ
た妹しか知らなかった。勝手に結婚もして、実家に帰ったのは実に十年ぶ
りのことだった。久しぶりに里帰りして、見事な女に変わっていた妹にひ
どく懸想した。なぜか妹が欲しくてならなかった。
親のことで相談があるともっともらしい理由を付けて、真夜中に外へ連れ
出した。静かに話せる場所がいいとラブホテルに入った。その頃には妹も
薄々気付いていたという。
おとなしくついてきて、部屋の中でとりとめのない会話を交わし、おもむ
ろにベッドへ押し倒した。抵抗したのはほんのわずか。軽く胸を押しただ
けで、唇を塞いでしまうと後はされるがままになっていた。
かつてない興奮に我を忘れて、夢中で妹の中に入っていた。妹も可愛らし
い声を聞かせて私に応えてくれた。
終わった後は、とてつもない罪悪感に襲われ、二度としないと約束した
が、妹は誰でもしていることよ、と落ち込む私を気遣ってさえくれた。
結局、一週間の滞在中、妹を抱かなかったのは初日の一日だけだった。求
めれば与えてくれ、最後の晩は今生の別れではないが、また遠い地に帰っ
てしまう私との別れを惜しんで、それこそすべてを与えてくれた。
その頃には、すでに女房もいたがアナルセックスまで体験したのは、妹が
初めてだった。妹も初めてだったらしく、そこまでして私のために与えて
くれた。
海をひとつ隔て、距離にして二千キロ以上も離れているから簡単には会え
ない。
あの二十代の頃から現在まで、妹と再会できた数は片手ほどしかない。し
かし、会えば必ずセックスをした。
妹はいつでも黙ってついてきて、私の求めるままに体を与えてくれた。
私の性癖は特殊で、縛った女を玩具にすることに愉悦を覚える。女房には
その気も起きなかったが、なぜか妹にはすんなりと求めることができた。
妹はおそらくマゾだ。男を悦ばせることだけを真っ先に考える。そして、
今同棲している相手は優しい男だが、妹の性癖を満たしていない。電話で
交わす会話の端々からその実態が窺える。
10月に妹がまたこちらへやってくる。すでに7年も会っていない。親を
帯同してくるがホテルは別々の部屋を取るように手配する。年老いた両親
だから就寝は早い。
部屋に鍵を掛けて二人で楽しむ。好みの下着に着替えさせて一晩中堪能す
る。熟した体になった妹のすべてを食べ尽くすのが、今から楽しみでなら
ない。