今から30年前、僕が都内の大学に入学した時のことです。
親元を離れて、都内のアパートで一人暮らしをすることに母親は心配だったようで、しょっちゅう僕のアパートに電話が来てました。
母親からの電話で、GWは帰って来ないのか?と言われ、僕は都内にいるつもりでしたが、母親が下の弟や妹よりも長男の僕を可愛がっていたのをわかっていたので、母親のためにと帰省することにしました。
母親にその旨を連絡すると、母親は自宅近くの駅よりも都内よりの大きな駅まで車で迎えに来てくれることになりました。
駅の改札口で約1ヶ月ぶりに母親と会うと、母親は人目も憚ることなく僕に抱きつくと、ご飯を食べに行こうか、と車に向かって歩きはじめました。