実際、悪い夢を見ていたと思いました。思いたかったといったほう
が正解かもしれません。
どのくらいそんな状態でベッドにいたのかわからないくらい呆然と
横になっていました。
次第に意識がはっきりしてくると、周りがみえてきました。
(今、私は裸…。なぜ?…、…頭がボーっとしてる)
自分が裸だと気づくと突然、羞恥心が沸いてきた。ゆっくり私は身
体を起こした。デリケートな部分から繰り返し鈍い痛みを感じてい
た。
すると身体からどろっとしたものが流れ出てきた。無意識にその場
に手をやったとき、指先に付着する感覚があった。
指先にべっとりと付着した血液。それと異様なにおいを放つ白濁の
体液。
それを確認した私は、次第に先ほどまで自分の身の上に起こってい
たことが事実だったことに気付いて怖くなっていった。
自分の周りには、父から乱暴にはぎとられた衣服が点在していた。
私はゆっくりと下着から身を整えていった。すごくけだるさを覚え、
着衣を整えていたら、思わずまた涙がこぼれる。本当に夢であってほ
しかった。