九州出身の俺、社会人になってからは給料日の週の土曜日東京を朝一の飛行機で出発して、故郷の空港で母と会うようになった。月に一回最愛の母と心ゆくまで愛し合うためだ。父親や家族に疑われないように俺は夕方の便で必ず東京に帰ることにしている。
先週の土曜日も空港には母が待っててくれていた。仕事を休んでまで俺の都合に合わせてくれる優しい母には感謝の気持ちしかない。溜まってるせいか母がやけに綺麗に見える。空港からはいつも通り母とタクシーに乗りそのままラブホテルに行く。ラブホは空港や街中は避けて、母がお気に入りの海沿いのひと気の少ない洒落たラブホにした。
タクシーの運転手、ミラー越しにチラチラ俺たちの様子を窺う。怪訝そうに。いつもこの時がドキドキする。運転手が俺と母をどのように見るのかスリルがあるからだ。
潤ちゃん元気だった?母
うん。俺
仕事は忙しいの?母
うん。俺
いつもの短い会話だが気持ちが通じ合う。母の手を握ると俺の指に強く絡めてきた。
運転手が聞き耳を立てているのがわかる。
母さんも元気そう。俺
・・・・・。母
母が俺を見つめながら身体を傾けて来た。指を強く絡め俺の大好きな白いブラウス。まもなく母のこの清楚な服に隠された肉体の隅々まで自由に出来るなんて。といつも夢のように思えるのだが、母はその神秘性をいとも簡単に打ち砕き、いつも俺の好きなようにさせてくれる。
中まで入りますか?運転手
はい、入ってください。俺
降りる時の運転手、意味ありげな視線で俺と母親を交互に観察した。料金表と部屋番号のところに母と並んで立つ。
母さん、どの部屋にしようか?
母さんってやめて。
淳子、どの部屋にしようか?
嬉しい。どこでもいい。
エレベーターに乗ると堪らなくなった。母の唇を吸って強く抱きしめた。
淳子、会いたかった。
私も・・・・・。
母の眼から涙が溢れ落ちた。続