闘病の末に両目を失明し職を失った父に代わって、否応なしに俺が家長となったのはまだ25歳の頃。
以前亭主関白だった父は負い目を感じたのか、萎縮したように大人しくなり、当たり前だが部屋に引きこもるようになった。
家計を支える俺を頼りに思うお母さんと、以前からお母さんに女を見ていた俺が男女の関係になるのに、案外時間はかからなかった。
何度も身体を重ねるうち、ヤることは段々エスカレートしていった。
食後の居間。
かつては家族団欒の場所で、俺とお母さんはソファーに寄り添って座ると、互いの身体をまさぐりながら父の目の前で何度もキスを繰り返す。
はじめの頃は「お父さんがおるからいかんって…」と小声で訴えてきたお母さんも、今では自らペニスを引っ張り出してフェラチオするようになった。
もちろん、音は極力たてないように気をつけてはいるけど、不自然にならないように普段通り世間話を挟みながらシているし、元々耳が悪かった父は大音量でテレビの音声を聞いているので、気づいていない。
いや…、たぶん父は気づいている、と思う。
父が一緒にいる空間の中で、静かに繋がりあった俺達は対面座位のままじっと耐える。
そうするとやがて、決まって父は気まずそうにそそくさと自室へ行き寝てしまう。