起こしても起きやしない。しまいにゃビンタ張ったがだめだ。死んだ亭主もそうだった。父子ってのは妙な所が似るんだなと思ったら。偉そうにおっ勃ってる倅の一物が気になる。こっちは瓜二つだ。何百回と世話になった如意棒。なんかの拍子に言ってた頼み事、最後のきちんと果たした。「俺が死んだら竿はおめえぇが清めてくれ。最後に逝く時ゃお前で逝きたい」うれしかったねぇ。だからあたしも言ったんだ。もしあたしが先だったらしてくれるかいってさ。そしたらあの表六玉、言う事がいいんだ。「そりゃもちろんそうしてやりたいね。これがほんとの逝きがけの駄珍だ。」って笑ってやがるのさ。だからさ清め布じゃなくて口で清めてやったんだ。なのに勃ちやしない。冷たいままなんだ。温まるまで嘗めてやったよ。自分の涙でしょっぱかった。ふと目を開けると目の前にちゃんと勃ったもんがあるじゃないか。今度は冷たいかどうかが気になる。小指でさ、こう突いてみたんだよ。温かいんだ。それに固い。男には絶対わからないと思うが股の下から見上げる如意棒は多分世界で一番色っぽいよ。はち切れそうな血管と押すと程よく返してくれる尿道のふくらみ。たまらないね。お釜さんだったらこの気持ちわかるかもしれないね。でも死んだ亭主は男色なしだったから見たのは女だけよね。えっ、あたし?あるわよ。あの人に言われて最初は嫌々だったけれど。仕込んでくれた相手が良かったのね。生え抜きのエスのひと。嫌ね、縛りやさんじゃなくて昔の女学校のエス。上の人たちは百合の事をエスって呼んでたのよ。あたしたちの年代の人はレズっていう言葉が嫌いでみんなビアンっていっていた。周りはお鍋さんっていってたけどね。気持ちよさに終わりがないから癖になる。よく言えば長続きの気持ち良さで悪くいえばメリハリの無さね。でもお酒を飲みながら朝までゆっくり楽しむのもなかなか素敵よ。そう考えたら挿れるか、しゃぶるかしかない男同士より楽しいかもね。少し話は逸れたけど、飲みすぎでちょっとボーっとしてたのもあるんだろうけど、目の前にこんなに立派で自分にぴったり合いそうなものがあるってのになんで駄目なんだろうなんて考えちまってね。大概なことはやったわよ。でもねさすがに自分の倅は無理だだって。なんていうのかな。いろいろあるけれど、匂いね。きっと。洗濯するでしょ。そうするとさ、たまに誰のものかわからなくなるのね、じゃなければ洗うべきかどうか見極める時、嗅いでみるのよ、服を。息子は息子、娘は娘、勿論亭主もみんな匂いが違うの
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