私には高校一年の弟がいます。少し前私はある疑念を持ち始めていました。
それは弟がどうやら私の部屋に勝手に入り、
下着などを取ったり、ベッドをぐちゃぐちゃにしたり、
例のあの行為をしたりしているのではないかという事。
私が仕事から帰ってくると、朝家を出る時にはなかった
ティッシュの丸まった物が入っていたりするのです。
昔はかわいかった弟が今は不潔にしか見えなくなってしまっていました。
しかし、直接見たわけではないし、「あんたおね-ちゃんの部屋にはいった?」
と聞いてもしらをきられるばかり・・・。
こうなれば、もうあれしかないと思い、
ついにビデオカメラを買ってしまいました。
そうです。なまいきな弟を何も言えなくするには、
自分がどれだけ愚かな行為をしているのか
知らしめてやるしかないと思ったのです。
私はその日からビデオカメラを
ぬいぐるみの山の中にしのばせて家を出る事にしました。
しかしなかなかそう簡単に現場をおさえることは出来ません。
何度か人がはいってきているのは映っていたのですが
顔が映ってなくて足だけだったり、
なかなかうまくいきませんでした。
そして今度は靴の入っていた箱に丸く穴を開けてそこにカメラを入れて
それをタンスの上に置くことにしました。(なんか盗撮マニアの様・・・。)
そして事はその夜急展開しました。
私はいつものように全て寝るしたくを済ませて、
ベッドに寝転がりながら、いつもと変わらない部屋の風景が延々と流れる
ビデオテープを早送りで見ていました。
しかし次の瞬間わたしの早送りのボタンを押す手が止まりました。
テレビに映った私の部屋。扉が開き、そこに入ってきた一人の少年・・・。
それはロン毛で茶髪、野球部で坊主頭の弟とは全く違う誰かだったのです。
でも考えられるのはこれしかない。
私はある疑問をはらすために弟の部屋に向かいました。
そして寝ている弟を起こし、聞きました。
「あんた今日誰か友達家に連れて来た?」
弟「来たよ。」
私「今度来たら今日来たの誰か教えて。」
弟「なんで?」
私「今度詳しく話すからとにかく教えて。」
弟「は?わかった。」
私は怖くてそのビデオを見ることは出来ませんでした。
見ず知らずの男が荒らした部屋。
その日は一階の来客用の和室に布団をしいて寝ました。 続く