この年齢になった今だと凄く女としてアブラがのった良い時期だったのだと思います。
その頃の唯一のアバンチュールを一つ。
二十代の真ん中より前で結婚すると、四十を過ぎた頃にはずいぶん自分の時間を持てるようになります。
その頃に生活にメリハリを求めてパートを始めました。
どこの町にもあるような普通のスーパーの食品売場担当でした。
女性が多い職場ですから当然派閥めいたものもあります。
でも、基本的にはギスギスしてない働きやすい職場でした。
山を丸々住宅地にしたような比較的富裕層が暮らす土地で、そのスーパーを筆頭にちょっとした商店街が形成されていたんですが、どの店もわりと洒落た印象が残ってます。
そうした土地柄が職場内にも反映されていたような気がします。
私は特別に二人のパートさんと仲良くなりました。
二人とも似たような境遇でしたから話もあったのでしょう。
この二人とは仕事を離れても行動したりするようになり、気の合う友人ができただけでもパートを始めたかいがありました。
主婦が三人集まれば延々と噂場に花が咲くのはお決まりのパターンだと思います。
その会話の中心にくるのは当然共通の職場の話題になるのも必然です。
店長とあのパートさんはできてるとか、そんな下世話な会話でいつも盛り上がってました。
私達は休みの日にはよく温泉にも行きました。
交代で車を出して、一時間二時間走らせたあたりに有名な温泉街があったので、時には一泊したりもしました。
そうした事を繰り返していると、やはり行き着くところは異性への渇望になってくるんです。
ああ、今ここに男性がいたらもっと楽しいのにって。
お酒を飲みながら職場の男性をあげつらい、勝手に性癖などを予想しては酒の肴にしてたんですが、ある時満を持したようにA子さんが切り出した。
(以下、もう1人をB子さん、私はC子とする)
青果の竹宮さん、大和田くんとできてるよ…
まさに、爆弾発言でした。
なんでもA子さんが青果部に用事があり行くとの冷蔵庫が半ドアになっていた。
誰か中にいるなと近づくと男女の会話がきこえてきた。
「もうここまで…誰か来たら大変…ねぇ今日うち来る?娘も遅くなるって言ってたし。」
竹宮さんの女丸出しの色っぽい声がハッキリ漏れてきた。
「私だってこんな中途半端じゃ…」
「四時までだから行きます」
男の方はアルバイトの大和田君のような声だった。
A子さんは青果部のバックヤードから出ると、自販機があるベンチで休憩する振りをして出てくるのを待った。
そしたら、やはり大和田君だったという。
彼はまだ新人といってもいいアルバイトで土日を中心にシフトに入っていたから、顔見知りだけどそれほど接点はなかった。
彼の配置は青果部だったから、竹宮さんとねんごろになるのはわからなくもないが親子ほどの年の差があった。
竹宮さんは派手ではないがきれいな人だった。
でも大和田君はまだ大学生になったばかり。
この組み合わせはショッキングすぎた。
私達はA子さんが絶対もう最後までいってると断言するので、史上最高の盛り上がりで騒いだけど、結局皆思うことは、
羨ましい!!!
そのひとことにつきた。
竹宮さんは皆から評判は良かったけど、特に親しくしてる人はいないようで、その情報が上書きされることはなかったが、新たな展開が起きた。
レジ部の主任の愛沢さんが大和田君を誘惑したらしいのだ。
誘惑というのは、あとから大和田君から聞き出してわかったことだ。
私の作文レベルの表現力ではここからの経緯を書くのは大変なので、大和田君から聞き出したことを要約すると、
竹宮さんとの関係を怪しまれたらしく、執拗にそれを追及され迫られて肉体関係にまで至ったらしい。
黙っている代わりにいいでしょ?って体の関係を強要された訳だが、愛沢さんのイメージからすると容易に想像できた。
年は私達と変わらないがバツイチでマンションに独り暮らしをしていた。
子供もいないし体つきは出るとこ出ていてセクシーだと思う男性はいるだろう。まだまだ女としてのフェロモンは発していたし、わかってみると若い男の子とか好きそうだ。
ただ、大和田君的にはけして無理矢理でもなかったらしい。
あの色気にやられちゃったのね。
元々竹宮さんといい年上好みの彼なら、愛沢さんはそれなりに魅力的に映るはずだ。
二人の関係を怪しんだのは、愛沢自身が彼を食事に連れてったりしてるのをオープンに語っていたからだが、私達は大和田君の前科を知ってるので疑いを持つことができたのだ。
愛沢さん的には小さな真実で大きな真実を隠す作戦だったらしいからおそれいる。
それを大和田君から聞き出すまでに至ったのは、B子さんの発した一言からだった。
なんか、私達と年も変わらないのに許せない。
あんな若い子といいことしまくってるなんて。
私もA子さんも異論の余地はなかった。
突き詰めると主婦なんて性的には皆欲求不満だろう。多かれ少なかれ。
三人寄れば文殊の知恵。
いつしか私達は大和田君を手篭めにしちゃおうかと話すようになっていた。
年上好きなら十分チャンスはあるのではないかと、あれこれシミュレーションを立てては盛り上がった。
そうした会話だけでも十分楽しかったから、仮に実現できなくても損害は全くなかったはずなのに、なんと絵に描いたように実現しちゃうのだから人生はわからないものです。
私達は滅茶苦茶ベタな正攻法で大和田君を温泉に誘った。
ちょっと人には聞かせられない大切な話があるの…
大和田君はすぐに察知したようで重々しく了解してくれた。
あとはさんざん若い男の子を困らせもてあそぶようにゴリ押しで彼をモノにした。
私達は運命共同体だから全て打ち明けなさい。
その代わり悪いようにはしないから。
悪いようにはしないっていうのは、秘密も守る代わりにいくらでも自分達も相手をしてあげるって意味ですね。
実際、大和田君は底無しに凄い性欲が強かった。
三人の餓えた女達の相手を勤められちゃうのだから、私達だって夢中にもなりますよ。
私達は三人でもしたし個別でも楽しむようになった。
二人には内緒にしてたけど、私はかなりメロメロになってしまった。
ジェラシーの塊のような私を、彼は毎回なだめるようにしながら抱いてくれた。
二人に聞かれたら自殺ものの恥ずかしいこともずいぶん口走っていたものだ。
思い返すと本当に恥ずかしい。
でもあんなに夢中で誰かとセックスできただけでも貴重な経験だった。
全く後悔はしていない。
大和田君大好き。
今でも愛してる。
たまにはあなたのザーメン全身に浴びたいです。