つづきです。
少しの休息時間を挟みまして、チームのメンバー、監督・コーチのみなさん、
保護者のみなさんは、ミーティング室や洗濯場へそれぞれ移動しました。ミー
ティング1時間に、夜トレーニング30分ほどで、たっぷりと時間があります。
ワタシと翔馬くんはいったんそれぞれ部屋へ戻って入浴の準備をし、浴室の前
で集合することになりました。(正直なところ、その時点でワタシには少しアブ
ナイ思惑が芽生えていたのです。宿舎は旅館で貸し切りでしたので、その時間帯
に私と翔馬くん以外に浴室へ来る人間は誰もいないのですから。)
浴室はもちろん「男湯」と「女湯」に分かれていますが、ワタシはごく自然を
装って「翔馬くんを手伝わなきゃならないからワタシも入るわね」と言って、翔
馬くんに付き添う形で「男湯」の脱衣場へ入っていきました。特に翔馬くんも
不自然さは感じないようでした。自分の母親と変わらない年頃のアラフォーオバ
サンですから。
翔馬くんは150cmを少し超えたほどの身長(私の息子が155cmほどでしたので少し
だけ小さい感じ)にシャープな引き締まった体格です。短髪で、よく日焼けしてお
り、かわいらしくも精悍な顔つきのサッカー少年です。息子とも仲良くしており、
ワタシとも何度も日頃の練習時に顔を合わせています。
まず、右手首が包帯で固定されていまして練習着が脱ぎにくかったのでワタシ
が手伝って脱がせました。上半身はまったく恥ずかしくもないようです。汗と砂
ぼこりの匂いは、普段嗅いでいる息子のそれとは少し違っていました。右手首を
覆うようにスーパーの買い物袋をかぶせ、髪どめのゴムでとめました。
次に、右足首も固定されていますので、ワタシのサポートでサッカーパンツを
脱がせました。思春期に突入する男子とはいえ、ボクサーパンツ姿になることは
さほど抵抗がないらしく、翔馬くんはパンツ1枚の姿のまま、今度は右足にもビ
ニール袋を履かせ、テーピングで固定しました。(骨折している人を風呂へ入れる
ときのような格好です。)
この時点で、ワタシはブラを付けていてTシャツ、下はピチッとした感じのス
ポーツ用のスパッツを履いていました。
(つづく)