中学時代、軟式テニス部で汗を流していました。
当時男子テニス部に憧れの先輩がいて、
純情乙女だった私は話をすることもできず、
ただ憧れの眼差しで見ているだけでした。
先輩とは家の方向が途中まで同じで部活が終わると、
ほぼ毎日先輩のずっと後を歩き、後ろ姿を見ながら帰宅していました。
ある日、赤いクルマが私の横を通り過ぎ、
ずっと前を歩いている先輩の横で止まりました。
道を聞いているようで、先輩がクルマを覗き込みながら、
身振り手振りを交え説明しているようでした。
すると助手席のドアが開き、先輩が乗り込んでしまいました。
私はがっかりし、そのままトボトボと歩き出しました。
田舎でしたので、田んぼや杉林など林道のような細い道を歩きます。
杉林を歩いていると、奥まったところに、
昔、木材を加工する小屋だった空き地があり、
そこにさっきの赤いクルマが止まっていました。
ただただ純情だった私は、道に迷ったのかな?と思い、
クルマに近づいていきました。
どうしたのかな?と窓を覗き込むと、
心臓が口から飛び出そうな衝撃と震えが起きました。
助手席を倒して、ジャージのズボンを脱がされ、
寝そべる先輩の股間に、女性の頭が覆いかぶさってグネグネと動いていました。
先輩は両腕で顔を覆い口を開けたり閉じたりしていました。
私は腰が抜けたように後ずさりして、クルマから逃げるようにその場から離れました。
帰ってからは、無性に涙が出てきて食事もせずに部屋に閉じこもっていました。
心配する親はなんとか誤魔化しましたが、
ショックと悔しさなどが複雑に入り混じった感情で、
しばらくは先輩の顔を見ることができませんでした。
それから赤いハッチバックのクルマを見ると、
暫くはあの時のトラウマが蘇りましたが、今では私がその赤いクルマに乗っています。
年齢を重ね、それなりの経験を積んだ今の私には、
トラウマというよりも願望として変化していました。
昔の話ではありますが、これまでに2人の少年に同じようなことをしてしまいました。
そのうち、こちらで紹介できればと思っています。