風呂から上がり夫婦の寝室に戻りました。お兄ちゃんの棒のようなペニスの感触が手に残り、精液の臭いがするような気がして、動悸がなかなか収まりません。夫と比べると、幼さは否めませんが・・・。でも小学生のものとは・・・・。また、父は意図的に甥たちと私を一緒に入浴させた気がしたのです。窓の前を通る父の表情は、何か怒った様な感じで、その理由は私とお兄ちゃんとの湯船の中の出来事に起因しているのかもしれないと思ったのでした。リビングに戻ると甥たちと息子は仲良くアイスを食べていました。その光景を見ると、先ほどの出来事は何か、私の思い過ごしの様な気がするのですが、私の存在を無視するかのようなお兄ちゃんと、背中を向けたままじっとテレビを見ている父の姿は、さっきのことは現実に起こったのだと思わざるを得ません。いつもだったら、孫たちと一緒になって笑っている父なのですが、熱があるかもしれないから先に寝ると言い始めました。「翠、お前徳雄たちと座敷で寝てくれ」と言い残すと書斎兼寝室へ入っていきました。不機嫌な顔をするくらいなら、一緒に入れと言わなかったら良いのにと思っていたところ今度は同じ部屋で寝ろだなんて・・・。結局父の言うとおり、私と息子と甥っ子たちは広い座敷に三つのお布団を敷いて寝ることになりました。次男「由喜夫」は夜中発作が起きやすいのです。一応薬を預かっていますが、いつもと違う場所で寝るのですから、私か父が側で寝る方が無難なのは間違いありません。ただ、成長に連れてその薬を使う機会も少なく、もう半年以上発作は出てはいないとのこと、ただ寒い時期はやはり要注意なのです。夜も10時を過ぎ、主人は今日も病院泊まりとの連絡が入りました。年末で世間は休暇モードに入りつつあるのに我が家の仕事人間は、相も変わらずフル稼働です。興奮してなかなか眠りたがらない息子と一緒に、甥っ子たちを残して先に寝床へ着いたのは10時半位だったでしょうか。息子が寝息を立て始め、私もウトウトしていた時、静かに襖が開き二人が入ってきました。薬の置いてある場所を思い出しながら、また眠りに落ちて行ったのでした。 真夜中のことです。リビングにある、古めかしい柱時計が鳴る音で目が覚めました。寝室からだと微かに聞こえるぐらいなのですが、今寝ている座敷からだと、部屋を一つ隔てただけなので、大きく聞こえるんだと、半ば眠りながら考えていました。耳を澄ますと、息子の寝息とその向こうには由喜夫君が寝ているようです。ぐっすり寝てるようで、後4時間ぐらいは眠れるかなと、再び眠りに落ちようとした時です。お尻に違和感を・・・。わずかに何かが動いた気がしたのです。触っているとか撫でているという感じではなくただ、当たっている。そう表現した方が良いような・・・。私と息子のダブルの布団を挟んで、甥っ子たちは眠りについています。ですから、息子を抱くように寝ている私の背後にいるのは徳雄君しかいません。後ろからは寝息ひとつ聞こえてきません。あの子は起きているのかな?寝相が悪くて、足や手が当たっているのかと最初は思いました。でも、少しずつですが、動いているのです。トイレにでも行くふりをして起きようかなとか、寝返りを打とうかとか、とりあえず起きてみようかとか、頭の中をいろんな考えが渦巻いていますが・・・体が動かないのです。お尻に触れるものが、二つに増えました。もう、それが掌だとわかります。そして腰のあたりの掛布団が少し捲られ、誰かが体を寄せてくるのがわかりました。徳雄君が私のお尻に顔を近づけてきたのです。その時です、お座敷の廊下を誰かが歩く密やかな音がしました。今夜は他には父親しかおりません。その足音は、座敷の前を通り過ぎ広縁の方に廻りました。広縁からお座敷の中はガラス障子越しに見ることができるのです。しかも、雨戸を閉めているため、広縁の方は真っ暗で何も見ることができません。布団をかぶっているせいか、徳雄君は全く父の存在には気づかないようです。
...省略されました。