スポーツクラブでインストラクターをしていました。
当時、毎週水曜日は地域振興の一環で、午後2時から6時までの比較的暇な時間帯を中高生に無料で
開放していました。
6時も過ぎ、会員様が来る時間の前に一通り点検をしていました。
中高生が使った後は、物が散らかっていたり、忘れ物などが多いのです。
女子更衣室を見回りに来ると、一番奥の個室の扉が閉まったままでした。
まだ生徒が残っているのかなと思い、声を掛けようと近づいてみると、2人くらいが入っている気
配を感じました。
はっきりと聞き取れませんでしたが、女性が小声で何か話している声と、うん、うん、と返事をす
る少年っぽい声が聞こえてきました。
私は息を殺して扉に近づき聞き耳を立てていました。
相変わらず、話ははっきりと聞き取れませんでしたが、男の子の照れ笑いのような声や、女性のボ
ソボソという声しか聞こえません。
私は直感的に何をしているのかがわかりました。
スポーツクラブではこういう事はよくあるんです。
ただ、女性と少年というケースは初めてでした。
私は更衣室の入り口を振り返って確認し、そっと扉の下の隙間から覗いてみました。
まず見えたのは女性がひざまずいている脚というか下半身。
少し身体を前のめりにして奥を見ると少年の脚が見えました。
私は胸の心拍数が高まりました。
後ずさりするように更衣室の入り口に戻り、一度深呼吸をしてから中に向かって声をかけました。
「もう、終了の時間ですよ。早く支度してくださいね」と、言う感じに。
すると中から女性の声で「はーい、わかりましたー」という返事が。
私はちょっと笑ってしまいました。
私は更衣室の出入り口が見える、ちょっと離れたところで、どんな女性や少年が出てくるんだろう
と隠れて見ていました。