-2-
後日………
部活帰り。
話が延びてしまったりドタキャンのせいで一人でトボトボ帰ってる途中の事。
あれ?この前の男の子が居る。
男の子も一人でランドセルを背負いながら帰宅している最中でした。
一人が苦手な私は、どうしようか迷ったけど、寂しさに負け男の子に話しかけ
ました。
「ボクも今帰り?」
男の子は、目をキョトンとさせると「あ、この前の…」と意味ありげに少し顔
を赤面させて答えました。
男の子の仕草を見る限り万引きが、ばれた様子はないようで。
「小学校にしちゃ帰りが遅いね。塾でもあったの?」
「いや部活…」
「ふーん」
どうにも話が弾まない。
完全にこの前の事を意識してるようで、男の子はそっぽ向いてカチコチ。
まるで恋人が同士が緊張して、お互い話し出せないような状況。
そう言う態度を取られると、こちらまで意識してしまう。
大きな公園の前まで一緒に歩くと男の子が「こっち近道だから」と逃げるよう
に一人で公園の中に駆けて行く。
その態度にムッと来た私は、男の子を追いかけ公園の中まで追っていく。
さすがに相手は小学生。男の子とはいえ、まだまだ足の速さは負けない。
「私もこっち近道だからっ」
男の子の手をガシッと掴むと「一緒に帰ろう」と笑顔で言う。
…逃がさないっ。ここは公園と言うよりも薄暗い森林と言った方が正しい。
ついつい追ってしまったけど、この薄暗い中を一人で歩くのは、怖いという思
いが強かった。
「何で逃げるの?」
男の子は観念したようにうなだれると「お姉さんのパンツが夢に出てきて怖
い」とポツリと言った。
その発言を聞いて私は、吹き出してしまった。
「それって怖い夢なの?」
男の子は「女の下着が夢に出てるのは何か嫌だ」と答える。
自分も小学生の頃の同級生を思い出し、男の子だねぇと勝手に納得してしま
う。
…この子は本当に可愛い。
「ねぇボク…夢に下着が出てこないようにオマジナイしようか」
「???? え、おまじない?」
夕暮れで人気がない公園の中、優しく男の子の手を取り女子トイレの方にひっ
ぱっていく………。
女子トイレに入る時に、男の子は少し抵抗したけど一度入ってしまうと、おそ
るおそる付いてくる。
ほぼ夜にかけている今、あたりは真っ暗。女子トイレの電灯は付いていない。
だから抵抗も少なかったのかもしれない。
男の子を個室に連れて行くと、カチリと鍵を閉める。
そっと耳を澄ましてあたりの気配を探ってみる。 男の子の緊張した呼吸と私
の荒い呼吸以外は聞こえない。
近くに誰もいない…
電灯を付けてないのは、人が入ってきたらすぐ解るのと、小学生にこれからす
る行為をマジマジと見られると恥ずかしいから。
「怖い?」小声で男の子に話しかける。
男の子も併せて小声で「ちょっと怖いけど平気」と意地を張りながら答え
る。 こういうところがやっぱり可愛い。