やがて、私達は河原へと到着しました。そしてあの時と同じ場所に、車を止めました。 その頃にはすっかりショウ君は黙り込んでいました。そして車が目的地で停車すると、いよいよだとばかりに、ショウ君は一回大きく深呼吸をしてきました。 私は辺りに人気がない事をしっかり確認し終えると、密室の車内というショウ君との濃密な空気の中で、急速に欲求への自制が利かなくなっていきました。「今日は、どういう事をしたい?」 私はそう問いながら手を伸ばし、ショウ君の気持ちを煽り立てる様に、太股の辺りを撫で上げました。「別に・・・何でもいいけど・・・」 必死に怯んだ姿を見せまいとしている様でしたが、すでにショウ君の緊張は相当なものらしく、額から汗が噴き出しているのが分かりました。「そう、じゃあ私に任せてくれる?」 私がそう言うと、ショウ君は頷いてきました。 全てのお膳立てが終わると、私の中でショウ君と会えなかった間の溜りに溜っていた欲求が一気に爆発する形となりました。当初はこの間の反省から、落ち着いて事を進めていこうと考えていたのですが、ついつい衝動を抑えきれなくなり、私は助手席に座るショウ君へ、身を乗り出して覆い被さる様に身体を密着させました。「あっ・・・!」 いきなり私が大胆になった事でビックリしたのか、呻く様な声をショウ君は発してきました。しかしそのまま、ショウ君は微動だにしなくなりました。 私はショウ君の体温を一身に感じながらも、その身体が見る見る強張っていくのが分かりました。「今日はたっぷり、ショウ君に色んな事を教えて上げるからね」 ショウ君の耳元で、私はそう甘い声で囁きました。自分で言っておきながら、随分と安っぽい誘惑のセリフだと、思わず苦笑したくなりました。しかしショウ君にとっては十分に刺激的だったらしく、どんどん息を荒くさせていき、それに伴い密着する身体から、彼の胸郭が活発に収縮する感覚が伝わってきました。 私はそんなショウ君の頬に、軽くキスをしました。「っ・・・!」 ショウ君はその瞬間、思わず発しそうになった声を、寸前のところで押し殺したといった感じでした。「そういえば私達、キスした事まだなかったよね」「・・・・」「しよっか?」軽い口調で投げた私の言葉に、ショウ君はゴクリと生唾を飲み込んだらしく、喉仏が大きく揺れました。「うん・・・」 やや間を置いて、引き絞る様な声でショウ君は答えてきました。「ショウ君は、女の子とキスした事あるの?」「別にそんな事、どうでもいいじゃん」 答えをはぐらかすショウ君でしたが、どうも私に対して見栄を張っている様にしか見えませんでした。 ただショウ君の容姿を見る限り、さぞ学校の女の子達の関心を集めている事だろうと容易に想像出来ました。今までショウ君が異性に対して無自覚だったというだけで、例え私とこんな関係にならなかったとしても、そう遠くない将来に彼女も出来、早い時期に色々と経験を済ませていた事でしょう。私は何気にそんな思いを巡らせていました。 そんな事を考えている内に、いつしかショウ君と同年代の女の子達に年甲斐もなく対抗心を燃やしている自分に気付き、私は恥ずかしくなりました。 私は気を取り直し、ショウ君の両頬に手を置きました。「じゃあ、いい?」 強張った表情で、ショウ君はぎこちなく頷いてきました。 キス自体は、緊張でガチガチのショウ君に対し、私が一方的にその唇を奪うという形になってしまいました。それでもショウ君のファーストキスの相手となった事に、私はこの上ない嬉しさを抱きました。 キスを終えると、ショウ君はすぐさま私の視線から逃げる様に、赤らめた顔を背けてきました。 そんなショウ君の柔らかな唇の感触が、いっそう私の中で衝動を昂ぶらせていきました。考えるよりも先に、私は欲望のままさらに大胆な行為へ突き進んでいったのです。 私はショウ君のシャツの裾を掴み、一気にたくし上げました。 肌を曝け出され、ショウ君は一気に困惑の様子になっていきました。
...省略されました。