症例:******良一 (16歳・男)
主訴:家庭内暴力、母親に対する性行為の強要等の性的異常
****県****市にて出生。分娩は正常。同胞なし。
小学校までは普通。中学1年の時下着を泥棒し補導歴あり。
その頃より生活が荒れ始め、どうにか2年生までは上がったものの
3年になってからはほとんど登校せず、家にゴロゴロとして過ごす
ようになった。
父親51歳。建築関係の大手に勤務。(現在は***府に単身出向している)
母親43歳。保険の外交員。出産を機に一度退職、専業主婦となる。
(後に息子が中学進学すると復職)
一人っ子ではあったが甘やかさずに育てるよう心がけていたという。
中学に入ってまもなく、クラブの先輩にそそのかされて、近所宅の
軒下に干してあった下着類数枚を盗もうとしたが、家人に見つかって騒がれ
警察に補導された。その事で父親から激しく叱責され、その夜家出するも
翌朝警察に保護されて連れ戻された。暫くは反省して学校にも真面目に通って
いるようにみえたが実は学校には行っておらず、近隣の家にしのびこんでは
金品および下着類を盗んでいた(息子が入浴しているすきに母親が
部屋に入った事があったが、成人雑誌・菓子の袋等と一緒に、盗難品であろう
女性の下着類が多数散乱していたという)。
やがて学校も休みがちとなり一日中部屋に引き籠もって風呂と食事以外
ほとんど外には出てこなくなった。
父親とは些細な事ですぐ口論となり、その際物を壊す、蹴りを見舞うなどの
暴力行為も見られるようになった。
息子とコンタクトをとれるのが主に母親であったことから
気にいらない事があると暴力を振るう一方で退行した行動を取って甘えるなど
母親に対しては両価的であった。
中3の1月頃。脱衣場で母親の下着を掴んだまま自慰にふける姿を母親が目撃。
ショックを受けた母親は思い悩み「こころの電話」等に相談しようと
思ったが、恥ずかしさから踏み切ることができず、また思春期の子供に
ありがちな一時のはしかの様なものという思いもあって、特に
誰にも相談せず胸の内にとどめていた。
3月、花見の宴席から酔って帰ってきた母親がリビングのソファーに
寝そべってウトウトしていた所、息子がこっそり入ってきて母親の着衣を
脱がせはじめ、子供のように乳房を吸い始めた。びっくりした母親は
「やめなさい」と声を荒げて叱責したが効果はなく、かえって両手を
押さえつけられ抵抗できなくなり、そのままするがままにさせていたが
10分くらい吸うと満足したらしく解放された。
以降、週に2-3度母親に「オッパイちょうだい」といった幼児的要求を
するようになり「もう赤ん坊じゃないんだから」と諭しても聞き入れず
あまり拒否すると物を投げる等の暴力行為に及ぶため、結局母親も仕方なく
乳房を吸わせていた。また入浴も母親としたがり、母親が拒否しても
無理やり一緒に入ろうとする。一緒に入浴すると「洗ってあげる」と
胸や陰部など触りたがり、また自分の陰茎を目の前に差し出して
「洗って」とせがんだりするなど性的抑制を欠く行動が多かった。
6月にはいった頃より母親に対する性的接触がエスカレート。
昼となく夜となく母親にまとわりつき、身体に触れたがる。母親が拒否すると
「いいよ」といじけ、下着を脱いで外へ飛び出そうとする。「みっともない
から止めなさい」と言って身体を触らせると大人しくなる。
(実際に何度か下半身丸出しで表へ飛び出し、近所の小学生や買い物帰りの主婦
を追い回すといった行動をとっている。)
また母親を名前で呼ぶようになり、抱きついてキスを迫ったり「今履いている
パンティをくれ」と言って下着を脱がせたりした。脱がせた下着の匂いを目の
前で嗅ぐなど変態的行為にもおよんでいる。
7月、息子が寝室で寝ている母親の布団に入りこみ、母親の体を撫でまわして
きた。母親は恐ろしくてわざと寝息を立ててこらえていたが、息子が陰部に
手をいれてきたため堪えきれず「やめて」と言ったものの効果はなく、無理
やり腕を後ろに抑えつけられると抵抗できず、とうとう性交をさせられてし
まった。(射精は出来なかった)
以後息子は母親を半軟禁状態にして家から出さず、昼夜を分かたず性交を
求めるようになった。母親の方も夫の単身赴任で夜の生活が充実して
いなかったこともあって息子を夫代わりに欲求を満たすような形となり、
若い息子の求めるまま何度も性行為を行ってしまった。
多い日には5-6回にも及んだという。
先月、母親の妊娠が発覚。父親と相談の末、堕ろすとともに息子との隔離を
するべく来院となった。なお近々離婚の協議に入るとの由である。
小さくお辞儀して母子ともに入室。母親は薄いグレーのスーツに白の
ブラウスと年相応の格好。ややほっそりとした上品な印象。化粧は薄く、
髪はきちんとセットされていて清潔である。
一方息子は髪は寝起き様のボサボサ頭に無精ひげ、一見して病的。
着衣に目立った乱れはないが、着ている青いシャツはややくたびれた
感じでジーパンもやや汚れ気味。目つきは虚ろで母親が話している間も
他人事のような表情をして落ち着きなく室内を見回している。
面談中にもかかわらず母親の胸を触りスーツの中に手をしのばせたり、
スカートを腿まで捲りあげて脚を触るなどの好色的行動あり。
注意するもしばらくするとまた始めるといった有様で全く抑制がない。