去年ここに正月に息子の嫁の千種と淫靡な関係になった事を2回に渡って書いた
読み直してみても、ただ還暦過ぎの初老の男が若く美しい嫁と過ちを犯しただけの事を妙にドラマチックに書いてしまって汗顔の至りなのだが、書いてしまうと幾分かは罪悪感が薄れて少し楽になる事に気が付いた
読み物としては面白くもないかも知れないが、私の心情や千種が言った事も、なるべく正直に書くので、どうかご容赦願いたい
さて、私は還暦を過ぎた初老だと書いたが千種も29になった
相変わらず清楚な花のような清潔感のある美しさは近所でも評判で、今年は夏祭りのミス浴衣に出ないかと地区委員会の方から話があったほどだ
息子の雅史とはもう離婚が成立しているし、嫁とはいっても千種は私の養女(養子縁組みも無事済んだ)として同居してるわけなのでミス浴衣に出たところで何も問題はないのだが、千種は頑なに固辞し、またこのご時世ミスコンの類いはどうかという意見があったらしく、ミス浴衣の話自体流れたようだ
私は定年まで勤めた会社の顧問として残業もない9時5時のお気楽勤務、千種は調理師として第三セクターが経営する給食センターに勤務している
かつては同じ敷地に私と妻の家と息子夫婦の家が隣り合って建っていたのだが、6年前に妻が他界し、去年息子が妙なスピリチュアルなサークルに狂って家を出て行ってから、もう息子宅は取り壊し、私の家で千種とまるで夫婦のような同居が続いている
去年の秋に息子宅を取り壊したタイミングで私の家も大規模なリフォームを行い、千種の意見を大幅に入れた設計になった
表向きは千種の寝室は2階なのだが、実際は風邪等で寝込む以外は、千種はほぼ毎日私の寝室に来る
「私がファザコンって知ってるでしょう?」とセックスをしない日も私とぴったりくっ付いて寝たがる
「暑いだろう」と私が遠慮気味に言っても「冷房をうんと強めにして、2人して抱き合って凍えて寝ましょう」と千種は私のベッドに来る事をやめない
ベッドは千種と関係を持ってから新調したが、私としては贅沢なクイーンサイズの海外ブランドのベッドだ(これも千種の希望だ)
以前の家の調度品や内装は亡くなった妻の好みもあったのだが、千種はこれも一新してしまい、自分の好む家にしていった
千種は冗談めかして「私はお義母さんに嫉妬してますから」と言い、これらを行ったのだが、さらに千種が好む冗談に「後添いとしては先妻の影は一掃しないと」というのがあるが、時折本当に私の新妻であるかのように嬉しそうに振る舞う千種に時折戸惑いを感じる
若く美しい千種が何で私なんぞに執着するのか
何とかのドンファンじゃあるまいし大した財産もなく、健康なだけが取り柄の初老の爺さんだ
正式な養女なのだから若く甲斐性のあるイケメンの男性でも見つければいいのに「そんなに出て行かせたいんですか?私が出て行ってもお義父さんは平気ですか?」なんて悪戯っぽく聞いてじゃれついて来る
以前はそういう時は悲しそうな表情を浮かべていた千種も今は自信満々だ
私が千種の魅力に取り憑かれていて、口ではそう言っていても離れられないのを知っているからだ
そう、私と千種は夜の生活を通してもうお互いに完全に依存している
千種に至っては夜は時折本当に私を「あなた」と呼んでは堪能に浸るのだ
(続く)