甥が我が家に住むようになってしばらくは、なんの問題もありませんでした。
4人の子供たちも甥になついていましたし、甥も新生活を送ることに追われているように思いました。
当時長女は5年生、甥は21歳でした。
私と妻は、新しく迎え入れた家族である甥に対し一生懸命手をかけました。
社会人として立派に自立できるように求職活動をさせ、最低限の身の回りの事も自分でやらせました。あくまでもうちは下宿として泊まるところなだけで、自分の生活は自分でできるように厳しくしつけておりました。
頼りないながらも我が家での生活になれてきた甥を、私たち夫婦も少しずつ信頼し始めました。
小学生以下4人の幼児を抱える我々夫婦としては、甥が仕事の休みの日などに家に居てくれることで、子供達の面倒を頼んで外出できるなど、多少便利に使っているところもあったのは事実です。
そんな生活を半年ほど続けた辺りで、少し違和感を感じる出来事がちらほら起こるようになりました。
いくら仲の良いいとこ同士とはいえ、成人した甥と思春期の長女が同じ布団で寝ている事が増えたのです。
私たち夫婦もまさかとは思いつつ、念のため間違いが起こらないようにと、一緒に寝ることを注意しましたが、やはりどうも我々夫婦の目を盗んでは一緒に抱き合って寝るようなことが続いたのです。
そのうち、下の子の誰かが、長女と甥がキスをしていたとか、抱き合っていたのを見たとか話すこともありました。
これはいよいよおかしいぞとなったころ、いつものように外出から戻った際、風呂場の方からバタバタっと慌てた様子の甥が出てくることがあり、不思議に思っていると、同じくそのあと長女が風呂から出てくるということがありました。
いくらなんでもこれは度を越えていると、私は甥に真剣に注意したうえで、同じ部屋で寝ることを禁じ、監視を厳しくすることにしました。
その事をきっかけにまた半年ほどは、二人の怪しい行動は目につかなくなっていたので、私は少し安心してしまっていました。
いまになって考えると、もっとはやく気づいていればと悔やまれることなのですが、先述したとおり、長女の発育は少しはやく、5年生前半で初潮を迎えたことは知っていたのですが、その後妻と『生理が不順でしばらくきてない』と話していたことは何となく聞いていたのですが、それがまさかあの事を指していたとは…悔やんでも悔やみきれません。
そう、5年生の長女は成人した甥の手によって妊娠させられていたのです。
気づいたのは、たまたま私が何気なく長女に『しばらく入っていないからたまには一緒に風呂に入るぞ』と誘ったことがきっかけでした。
年齢より進んでいる発育具合の娘の体を、見ないようにしながら風呂で過ごしていたのですが…
なんとなく腹が出ている??と気づいたのです。
私は過去に何度も妻の妊娠を見届けてきましたので、胃の張りと妊娠の張りの違いはなんとなくわかりました。
いや、そんなまさか??と思いながらも、よくよく考えると思い当たる節がありすぎて…
もう気が気ではありませんでしたが、こんなこと、妻が知ったら本当に倒れてしまう。間違いであってくれと願いながら、次の日長女を買い物に誘ったついでに、ドラッグストアで妊娠検査薬を購入し、使わせてみたところ…
しっかりと陽性でした。
また一旦きります。