長くなりそうな予感。 ま、ぼちぼち書いて行きます。私が生きているうち
に終わるかしら。
父が長い病床生活の末、ニ年前に亡くなった。以来母が一人で暮らしている
九州の実家を訪ねた。父の存命中も年に二度は妻と一緒に訪ねていたが今回は
僕一人だ。妻が「この頃お義母さん、前に行った高千穂峡で手を引いてくれた
あなたの手がとっても暖かかったって何度も言ってたでしょう。きっとまた手
を握って欲しいんだと思う。だからあなた一人で行ってお義母さんに独り占め
されてあげなさい。そして手を握ってあげて。」と言ったからだ。このとき僕
は46歳。
着いたときに母はとても喜んだ。74歳になる母の顔は小皺を通り越して大
皺が目立った。そしてまた小さくなった気がした。
風呂に入り夕食になった。食卓には刺身のほか鰻の蒲焼などが並んだ。こう
いった買い物は、少し離れたところの母の実家の従姉妹(母にとっては姪)が
ときどき車で連れて行ってくれてるらしい。
食事の後テレビを見ていると、ニュースで雲仙のツツジが見頃だと言ってい
た。母専用の一人掛けのソファの母が「ああ、ここにも行ったねえ。」
「いろいろ行ったもんね。高千穂峡とか。」
「あん時あんたが私の手を引いてくれたやろ、その手が温(ぬく)かった...。」
また言った、と思った。
「じゃあ母さん、また手を引いて歩こうか?」
「ん? いつ?」
「今。」
「今? どこを歩くと?」
「家ん中を一回り。」
「・・・うん、そうね・・・お願い・・・。」
母が立ち上がりおずおずと右手を差し出した。左手でその手を握り、歩きはじ
めた。LDKを出るとすぐ右に茶の間、その隣に母の寝室、廊下の突き当たりの
左に仏間兼座敷、その下に小座敷、という順に歩いた。母の手はひんやりとし
ており、母は少し俯き加減で無言でついてきた。小座敷を抜けて玄関からLDK
につづく廊下に出ると母が歩を止めた。
「もう終わり?・・・ね、もう一回歩こう?・・・」
「うん。・・・」
母を「かわいい」と思った。また弱々しく思い、抱きしめてあげたくなった。
再び歩きはじめて、小座敷まで来た時、僕が歩を止めた。
「母さん・・・ギュッとしていい?」
「・・・うん・・・いいよ。」
母と正面から向かい合い、母の体ごと包み込むように抱きしめた。母は両腕を
僕の背中に回し、頭を僕の肩に預けて抱きしめられていた。僕は母の頭を撫で、
そして両手で頭をはさみ母の顔を見た。小座敷の常夜灯に照らされた母の目を
見つめ、額に軽くキスをした。母は少し驚いた表情をしたがすぐに微笑んで、
僕の背中に回した腕に少し力を入れ、そして緩めた。
廊下に出るとまた母は歩を止めた。
「また終わりね。・・・ね、お願い、もう一回。」
今度は指を絡めて手をつなぎ、三たび歩きはじめた。小座敷に来ると母はまた
俯いて歩を止めた。そして僕を見て、
「もう一回ギュッとして。」と微笑んで言った。
前よりもう少し強く抱きしめた。母の手も前より少し強く僕を抱きしめていた。
しばらく母の髪を撫で、それから両手で母の顔をやさしくはさんで見つめた。
5秒ほど目と目を見つめ合い、母の唇にチュッ、チュッ、チュッ、と3回、キス
をした。
母はまた一瞬驚いた表情をしたが、すぐににっこり微笑んで、
「ありがと・・・さ、戻ろう。」
二人は蛍光灯の明るいLDKに戻って、母は専用の一人掛けソファ、僕は三人掛
けのソファに向かい合って座ったが、すぐに母が、
「向かい合うとなんか恥ずかしいね、そっち座っていい?」
と言って僕の右隣に座り直した。並んでテレビを見ていたが、母が
「もう一回、手、握って。」
と右手を僕の膝に置いた。左手でまた指を絡めて握った。母が顔を僕に向けて、
「もう一回、キスして。」と言って照れたように微笑んだ。
「うん。」
握っていた左手を離し、母の肩に回して、顔を寄せ、唇にチュッチュッと2回、
3回目は長くキスをした。
そして見つめ合い、また顔を寄せて、もっと長いキスをした。母は目を閉じ
たまま、僕の舌が母の唇を舐めると母は少し唇を緩め、僕の舌が母の歯を舐め
ると母は口を開いた。
僕の舌が母の舌を追いかけると母も舌を絡めて来てディープキスとなった。
母の腕は僕の体にしがみつくように強く巻きつき、母の息が荒くなった。
僕は母の胸に手を這わせ、昔は大きかったが今は萎びた乳房をやさしくゆっ
くり揉んだ。母の息はさらに荒くなり、その風が僕の顔にかかった。
だが母は急に僕の体に回した腕の力を緩め、唇を離し、荒い息を整えながら、
「もういい、もういい、ありがと。もう寝よ。あんたの布団しいてくる。」
と言って小座敷に行った。
しばらくして、
「布団敷いたからいつ寝てもいいよ。私、お風呂入るから。あ、歯、みがいて
ね。」
実家の洗面所は脱衣所も兼ねていて、洗濯機も置いてある。母が浴室に入っ
たのを確認して歯をみがきに行った。洗濯槽の中に母の脱いだ衣類が入ってい
る。パンティを手に取って見る。以前何度か見た母のパンティは、大きな型で、
生地も厚いものだったが、僕が手にしているのは、若い娘の物ほどではないが
小さく、生地も薄い物だった。
「あの母さんがこんなパンティをはいていた・・・。」
さらに驚いたのは、母の性器に当たる部分が湿っていて少しぬめりがあった
ことだった。
続く・・・かな?