姉とプールの受付を済ませロッカーに入った。
当然誰もいなくて俺一人きりだった。
買って来てくれたその水着にちょっとびっくりした。
それは、初めて身に付ける競泳用ビキニだった。
水泳部の奴らはいつもこんな薄いペラペラの布きれ一枚で泳いでいるのかと感心した。
付け心地は悪くないけれど俺のさおの形もはっきり分かるローライズの白だった。
受付でもらった大きなタオルを肩に掛けプールに入って行くともう陽は落ちて
うす暗くなり、ちいさな雨粒が少し落ちてきた。
夕闇迫る中プールにはもう誰もいなかった。
寒くはないけれど雨粒を避けて大きなパラソルの下でビーチチェアーに横たわって
ビールを飲みながら暮れて行く釜山の空を眺めていた。
3本目の缶ビールを開けた時、後ろから姉の声がした。
振り返ると大きなバスタオルを肩に掛け白い水着を身に纏った姉が立っていた。
「みのる、待ったぁ?」
「・・うん。いや、それほどでもないけど ・・」とは言ったけれど姉にビールの
空き缶をしっかりと見られてしまっている、、。
「チョッと待ったけど、かずのお供をさせてもらってる身だしね・・
おとなしく待ってたよ」
「ふ~ん、、しっかりビールを飲みながら、おとなしくねぇ~、」
姉の白い水着は俺とおそろいのメーカーの物だった。
「みのる、その水着はどう?気にいってくれた?丁度かな??ちょっ見せてよ。」
釜山に知り合いなどは居ないとは言え、揃いの白い水着でビキニタイプは
少し恥ずかしかった。
モッコリを姉に見られることもちょっと抵抗があった。
「ねぇ、どんな感じなの、誰もいないわヨ~見せてよ」
仕方なく立ち上がって直ぐに後ろ向きになって姉のリクエストに応えた。
「あぁ~~いいね、みのるにピッタリだぁ~」
「丁度いいけどビキニは中年オヤジにはちょっときついよ、、、、
腹のでっぱりも目立つもんな」
「なに言ってんのぉ 通ってるスイミングじゃみのるより年上の
おじさん達みんなはいてるよ、こっち向いてみて、」
「そうか、スイミングのおじさん達もみんなビキニの水着をはいてるんか・・」
軽く回って姉に正対した。姉は俺の足元から目線をあげていき水着とその薄い布きれで
隠れている股間の膨らみも見た。
俺は恥ずかしさまぎれにポーズを取って「水着ありがとさん、」と言って椅子に座った。
「イイやんか結構白が似合ってる・・良かったぁ~」
俺はビールを飲んでひと息ついて声を落ち着かせた。
「しかし姉ちゃん、、いやいや、かずの水着も白やんか、それでスイミングとかで泳いでんの?」
「まさかぁ、この水着はこの旅行用に買って来たんよ、みのるとお揃いにしたの、どう?」
姉はタオルを取り腰に手をやりポーズを取った。
姉の水着姿に声も出ず見とれてしまった。
真っ白な水着はほんとに良く似合っていた。
手足の長い姉の体形をより綺麗に見せている。
昔から鍛えている筋肉質の身体を50歳になった今も保っている。
くびれた腰や少し垂れているけれど張りのあるバストラインと
ヒップラインが綺麗だった。
胸がキュっとなって声もかすれる、、「・ああ、よく似合ってる、・・」
「うん、ありがと、みのるに見てもらおうと思ってね、思い切って買ったの、
ロッテホテルのプールはこの時間帯はほとんど泳ぐ人はいないしね、、、
いても欧米のお年寄りばっかりだからね、お揃いの水着を買ったの、、、、。
付いていた裏地も外して来たし、、いつも付けるインナーもしていないから、
、、ちょっと恥ずかしいんだけどね、、、、、、、、じゃ、泳いでくるね」
姉はゆっくり歩いてプールに入って行った。
(つづく)