最後と致します。最愛であった聖也との一番、嬉しかった思い出。私が就職が決まり、聖也と神戸の異人館を巡り楽しんでいました。此処なら、知人とのニアミスの危険性も低く聖也に思いっ切り甘え本格的な恋人デートを楽しみました。聖也もバイトを頑張っていたようで、私の就職祝いだとレストランを予約してくれて、テンション高い目でした。そんな時に、「夕夏」いつもは、「姉さん」なのに、名前で呼ばれました。高いテンションなど、消え去り泣いてました。「これ、プレゼント」中身は腕時計でした。「裏を見て」裏を見れば、刻印されていました。Ich liebe dich f暖r immer聖也を見つめました。素直に御礼を伝え、ワインで再度、乾杯しました。聖也がトイレに行っている間、時計を見つめ幸せな気持ちでした。刻印された意味が分かりませんでしたので、スペルをネット検索しました。画面に映し出された文字。号泣しました。Ich liebe dich f暖r immerドイツ語で貴女を永遠に愛します。レストランのウェイトレスが心配して話し掛けて頂き涙の訳を伝えると、一緒に喜んで戴けました。聖也が戻って来ました。泣き笑いをしている私時計を手にしている私聖也も照れていました。「分かったんだね。夕夏」聖也の第二外国語 ドイツ語を選択していました。「聖也、ドイツ語で書くなんてキザやね」照れ隠しで、憎まれ口をしちゃいました。聖也は、やや哀しそうな顔をしました。「悲しい事実だけど、俺と夕夏 世間的には秘密にしなければダメだろだけど、俺は気持ちを伝えたかった。英語や仏語読める人間が多い。ドイツ語なら大丈夫やし。俺の気持ちを形にしたかった。」「本当は、指輪を渡したかった。でも赦されない事だから、左の指輪でなく左腕に付けた時計が俺達の指輪だよ」聖也が自分の腕から時計を外しました。私にくれた時計のメンズ用裏蓋には、同じ文言が印字されていました。話を聞いている間、涙が溢れました。今も付けております。聖也の時計は、奇跡的に壊れずに残りました。特注品のクリスタル製の宝石箱に入れて大切にしています。店を出て、二人は寄り添って夜の街を散策しました。途中で寄りました店で、私のお気に入りワインを見つけました。聖也は、「夕夏、今夜は神戸で泊まろう」私は、聖也の腕をギュッと暖み 肯きました。実家に連絡して、帰宅しない事を告げました。幾つかのホテルに電話をして予約を取りました。ホテルのロビーで記帳し、エレベーターで予約した部屋に到着しました。部屋に入り聖也は、長いキスを私にしてくれました。一旦、離れ上衣や荷物を整理し、フロントに連絡して軽い
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