盆の13日に妻は子供を連れて実家に帰った為、一人で母と兄家族の住む生家に行った。親戚が集まりちょっとした宴会になった。「映画見て帰る」というと姉が「その映画私も見たい」と言い出し二人でレイトショーを見ることになった。私は車で来たためアルコールを口にしなかったが、姉は少し顔が赤くなっていた。二つ上で今年で30になる姉は、いまだに独身で生家の近くにアパートを借り独り暮らしをしている。
10時過ぎに映画が終わり、姉を車で送ろうとすると「ねえ、もう少し付き合いなさいよ」と言い出し、ゲームセンターで、エアホッケーや太鼓を叩いて遊んだ。姉は妙にテンションが上がったみたいで「諒くんと遊ぶの久しぶり、楽しいね、次どこ行く」と言ってきた。薄いワンピースにうっすらと汗をかいた姉からは、何とも言えない」いい匂いがしていた。ショートボブの下の真っ白い首筋に流れる汗が妙に色っぽく見えた。
「汗かいたし風呂にでも入って帰ろうか」と応じると「いいね。行こう行こう」
と返してきた。私が結婚するまで、姉とは買い物などちょくちょく一緒に出掛けていた。昔に戻った気がした。姉とは、お互い二十歳前後のまだ恋人もいない時期に、何度か怪しい雰囲気になったことが有った。そんな時は、二人のどちらかが、さっとその場の空気を変えることで事なきを得てきたように思う。
しかし長い時間押えていた何かが、私の中で再び目を覚ましていた。スーパー銭湯へ行く道を思いきって、何も言わずにラブホテルへハンドルを切った。駐車場に入れ、助手席を見ると戸惑った顔の姉がいた。
「風呂入るだけだよ」
ぶっきら棒にそう言って外から助手席のドアを開けると黙ってついてきた。一番豪華そうな風呂のついた部屋を選んだ。5~6人は入りそうなジャグジーに先に入り泡ぶろにして姉を呼んだ。何か吹っ切れたように、姉はタオルも巻かず素っ裸で入ってきた。大人になった姉の裸を見たのは、初めてだったが、その真っ白な肢体は美しかった
「本当に、広いね」
はしゃぐ姉がいた。私も一つの決断を下したというより、私の下半身は素直だった。風呂につかりリラックスしてきた姉の横にゆっくりと移動した。泡ぶろで二人でふざけあって二人の距離が最接近した瞬間に姉の唇を奪った。無理やりのように舌を絡め合わせると、姉も積極的に舌を動かし始めた。止められなかった、長いキスの間に姉は私の背中に手を回してきた。顔を離すと、姉は荒れた呼吸を整え私の眼の奥を見据えたようにして口を開いた。
「諒くんは、いいの?」
私も姉の眼を見つめたまま小さくうなずいた。姉は私を引き寄せるように唇を求めてきた。そのまま二人でじゃれ合って、お互いの体を弄り合った。