どこから書けばいいのかわからない。
何を書けばいいのかもわからない。
こんなことをしている間も、あの子が後ろから見ているのではないかと想像してしまうと背中に冷たいものを覚える。
どこにいても私に安息の時間はない。
夫や娘がいるときでさえ、あの子が私に向ける目には恐ろしいものを感じる。
時々、にらむように見つめる濁った瞳。
台所に立って麦茶を飲みながら。
階段を上りながら、ふと振り返って唐突に向けてくる歪んだ眼差し。
不意に鉢合わせをして目の前にあの子の顔が現れたりすると、突然に叫んでしまいそうになる。
とても怖いご主人様。
そんなご主人様が現れて、私は喜んでいる。
どうしようもない母親と思う。
初めは力ずくだったとはいえ、受け入れてしまった事実は消えたりしない。
私を乱暴に扱うのが好きで、当たり前にメス豚と罵る。
豚と罵られても仕方のない乱れ様だから、恨む気持ちにはならない。
どうしてあの子にされるとあんなに体が喜んでしまうのか。
痛みと屈辱しかないセックスなのに、どうして何度も気をやってしまうのか。
泣きながら跪いて、あの子のペニスに許しを乞う自分の姿にゾクゾクとして体の震えは止まらない。
メス豚と罵られながらあの子が入ってくると、許してもらえたような気持ちになって、ひたすらあの子を喜ばせたいとしか考えられない。
髪を鷲掴みにされるのが好き。
あごをすごい力で掴まれるのが好き。
あの子の膝の上で、俯せにされながらお尻を何度も叩かれると、それだけで訳のわからない気持ちよさに泣きながら、もっともっととせがんでしまう。
あの子風にいうならば、私はもう一人前のメス犬になっているらしい。
決して望んだりはしていないけれど、こんな関係を続けたいなんて思ってもいないけれど、私にはそれを選ぶ権利はなくて、そしてあの子が欲しがる限り、私はいつまでも裸にされておもちゃにされて、あの子を満足させるためだけの道具にされる。
今は悩む時間よりも期待する時間の方が多くなった。
あの子は、私を道具としか思ってない。
時々優しさを見せるときがあるけれど、そんなときはひどく醒めて元に戻れない事実に押し潰されそうになる。
だから、優しさなんかいらない。
卑猥な下着を着けて、卑猥な化粧をして、あの子が呆れるほど淫らになって、そしてあの子が自分のしたことの愚かしさに気づいて、後悔して、それでも私はあの子を許さなくて、ご主人様としてずっと生き続けてもらって、私の気が狂うまでお仕置きをしてもらう。
それだけが、今の私の望み。
でも、家族にばれるのだけは、なんとしても避けたい。
もう、夫にも見せられない体にされてしまったけれど、せめて娘が誰かの元に嫁いでいく日までは、普通の家族を演じていてあげたい。
あの子を、どうやってコントロールしていけばいいのかわからない。
家に家族がいても、私を欲しがるようになった。
あんなに好きにさせてあげているのに、それでも満足しなくて、家族まで巻き込みかねない勢いに私もどうしていいのかわからない。
私を自分だけのものにしたがっている。
どこでも好きなときに自由にできるセックス奴隷にしたがっている。
事実、あの子は簡単にそれを口にする。
父親や妹の前で、メス犬になった私をよがらせたいと当たり前のように口に出す。
そんなことをさせるわけにはいかない。
でも、どうすればいいのかなんてわからない。
私がいなくなればいいのかな。
そんなことを思ってしまったら、すごく悲しくなって誰かに聞いてもらいたくなった。
私が消えれば、全部解決するのかな。