母にAMZONで下着がセールになっている事を教えたのが始まりだった。母は、AMZONで買い物したことが無いから私に買ってくれとメールで商品のリストを送ってきた。ワコールのベージュで無地のブラとショーツは、いかにも52歳のおばさんが身に着けていそうな物だった。女性の下着をネットで見るのは初めてで、見始めると、妙に興味が出てきて、次々に商品をクリックした。サルートというブランドは、刺繍がきれいでクリックを続けていると、彼女もいない私は、母が着たらどうなるのかと頭の中で下着姿の母を想像し始めた。先日の母の日に何も買わなかったことを思い出しセットで1万円くらいのブルーのブラとショーツを一緒に注文した。
届いた商品を「プレゼントも入ってるから」と言って渡すと母は、「どうするのよ」とかなり驚いていた。
「親父が、喜ぶんじゃない」と軽口をたたくと「そんなのもうずっと無いわよ」と笑いながら返してきた。両親の性生活を初めて聞いてこっちの方がどぎまぎしてしまった。
日曜日に、昼までだらだら過ごしていると母が「プレゼントのお礼にランチを奢る」と言ってきた。ファミレスで母と向き合った。来る途中に「この間貰った下着を着てきたから」と母に言われ、食事中は頭の中で下着姿の母を描いてしまい、母を一人の女性としてしか見れなくなった。母は充分にきれいだと息子ながら感じた。半袖のブラウスとタイトスカートを纏い、首に光るネックレスもセンスが良かった。165センチでやせ型の母は饒舌だった。
夜、脱衣所に入ると、洗濯籠の横に手洗いする物を入れる小さな袋があった。袋を開けると母の下着が出てきた。思わず顔に当て匂いを吸い込んだ。懐かしいような何とも言えないその匂いに私の物はそそり立っていた。