自分でもまるで予期していなかったことだが、洗濯機から何気なく拾い上げて手にした母のショーツから、俺の気持ちの中に何か例えようのない黒い炎のようなものが沸々と燃え上がってきているような気がした。 高校の時以来何十年もの間、母親を全く意識することもなく何気に看過していた思いが、自分でも驚くくらいの早さで俺の心の中で、それまでとは真逆の赤黒い渦になって止めようもなくその弧を大きくし始めていた。 俺は箪笥の中から赤いブラジャーとショーツを取り出し、鼻先に翳してみた。 甘くて柔らかい香水のような匂いがした。 その二つと黄土色の染みのついた黒色のショーツを握り締め、俺は自分の室に早足で戻った。 ベッドにすぐに寝転がり、パジャマのズボンとトランクスを一気に脱ぎ下ろした。 俺の下半身のものは、すでに痛いくらいに固く勃起しきっていた。 俺はまるで高校時代に戻ったように、手にしていた母の下着を自分の鼻と口のあたりに押し付けるようにして、もう片方の手で固く屹立したものを握り締めしごいた。 そして長い時間を要することなく、俺のものは爆発した。 赤黒く濡れそぼったそのものの先端に母の下着を俺は添えて、生熱いほとばしりの飛散を防いでいた。 そういう出来事が昼間にあって夜になった。 その日は外に一歩も出ずにグダグダと時間を過ごした。 夕刻頃に一昨日面接に行った会社から丁重な言葉で採用不可の断わりの電話があり、俺はまた一人酒をやり出し、いつからかテレビもつけっ放しのまま炬燵布団に潜り寝込んでしまった。 玄関のチャイムが激しくなる音で俺は目を覚ますと、窓の外はもう真っ暗で夜になっていた。 柱の時計を見たら九時を過ぎていた。 どうせ母が酒に酔って帰ってきたのだろうと思いながら、俺も足をふらつかせながら玄関に向かいドアを開けると、二人の女の人に両肩を支えられた母がぐったりと顔を俯かせていた。 「すみません。彼女、お酒チャンポンして悪酔いしたみたいで…」 一人の女性がそういって母のバッグと袋を渡してくれた。 「ああ、す、すみません。お世話かけたようで」 「いえ、うちの社長がね、海外旅行のお土産で買ってきたテキーラを何本か歓迎会に持ち込んできて、それで彼女だけでなくみんな大酔いになってしまったんです。早く休ませてあげてください」 母は完全に意識をなくしているようだった。 二人から母を受け取り礼をいってドアを閉めた。 そのまま小柄な母をお姫様抱っこして居間に戻り、炬燵布団の中に足を入れ寝かした。 酒の匂いと化粧の匂いが室の中に漂った。 炬燵布団に身体半分を埋めて母は仰向け状態のまま、息だけをして気絶したように眠りこけていた。 その炬燵の中で俺の足と母の足が何度か触れ合う。 俺の左横に母はいた。 つんとかたちよく尖った鼻から母の寝息が洩れていた。 白い肌に赤い口紅。 見下ろすように俺は母の顔を見ていた。 ふと昼間のことを思い出した。 母が女に見えた。 手をゆっくりと母の胸の上に置いてみた。 セーターの下のブラジャーを通してその下の柔らかい肉の感触に、俺は小さく身震いした。 今朝方まではただの母でしかなかったのが、今は完全に異性として俺は感じていた。 身体を少し屈めるようにして、俺は母の胸に置いていた手を下のほうへずらせていった。 腹を伝い母の股間に当たった。 見るとスラックスのホックが外れていた。 そのスラックス越しに母の股間の真下に指を添え当ててみた。 母の反応がないのが俺の気持ちを少し大胆にしていた。 当て添えた指に押し上げるような力を入れてみる。 俺の顔の真下に母の顔がある。 顔を下に落とし唇を母の唇に触れさせようとした。 唇と唇がかすかに触れ、母の吐く小さな息が俺の前歯に当たるのがわかった。 もう少し強く唇を重ねようとした時、母の顔が急に横に動いた。 俺は少し驚いたが、ただ動いただけだった。 母の股間に伸ばした手でスラックスのファスナーをゆっくりと引き下げた。 そして思い切って開いたところに俺は指を差し入れた。 ショーツの柔らかい布越しに母の秘部の感触を俺の指先は確実に捉えていた。 もう抑制の効かない気持ちに俺は半分以上なっていた。 ばれたらそれはその時だ、と俺は思った。 もう一度母の唇に唇を重ねた。 母の唇の柔らかい感触を俺の唇はしっかりと感じ、ゆっくりと舌を差し入れてみた。 母の口の中の歯は力なく開き、俺の舌はたやすく侵入を果たした。 下腹部での指の動きも続けた。
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