今年の春から妹と二人で暮らしている。もちろん、男女の仲になってだ。
と言っても54歳と51歳のオッサンとオバサンだ。
俺は2年前離婚して子供たちも寄りつかない一人暮らし、妹は5年前に旦那が糖尿病が悪化して死んでしまい、子供もいなかったのでこちらも一人暮らしだった。
お互い、同じ都内に住んでいるのに年に1度か2度会う程度だった。
二人が出来てしまったきっかけは、田舎でこれまた一人暮らししていた親父が今年の初めに倒れたことだった。
叔母から連絡があり、二人で田舎に飛んで行ったのだが、倒れて4日目に息を引き取った。
お通夜、告別式、火葬、納骨と俺が走り回って準備する羽目になった。
全てが終わり、明日の昼の飛行機で東京に帰るという日の夜だった。
寝入りばな、襖が開く気配で目が覚めた。
「田舎は寒くって一人では寝れない」と言って、妹が布団に入ってきた。
さらに「あー寒い寒い」と抱き付いて、俺の片足を自分の又に挟むではないか。
「コウちゃん、こうするの40年ぶりよね」
その言葉に甘酸っぱいような、苦いような思い出がよみがえった。
俺が中二、妹が小5の夏休み、性への興味に負けた二人は、どちらともなく親に隠れてお互いの裸を見せ合ったりした。
僅かに膨らみ始めた胸にキスをしたり、抱き合って股間をこすり合わせたりもした。
しかし、セックスしたら一発で赤ちゃんができると思っていたため、挿入するまでには至らなかった。
そうこうしているうちに、なぜ感づいたかはわからないが、母からきつく釘を刺され、それ以来ぱったりと危険な遊びは封印した。
そんな記憶が40年ぶりに奇妙は背徳感と興奮を伴ってよみがえった。
「ずっとコウちゃんのことが好きだったのに」そう言いながら唇を重ねてた妹の鼻息は荒かった。
いまでは子供ができる心配なんてない。
すぐに妹のパジャマを脱がせ、自分も裸になった。
乳首をしゃぶりながら充分に濡れるまで指を使った。
挿入すると、声を上げるのをこらえながらもすぐに行ったようだ。
2回、3回と行くうちに喘ぎ声も大きくなり、最後は二人同時に行った。
朝方寒くて目が覚めると、目の前に寝息を立てる妹の顔がある。
随分しわも増えて年取ったなと思いながら眺めていると、なんだか色っぽく見えて、またムクムクと硬くなってきた。
再び抱き寄せ股間をまさぐると、妹も目をさまし、首に腕を回してきた。
第2ラウンドはかなり激しく、寒さも吹っ飛んで互いに汗まみれになるまで腰を動かした。
妹は10回は行っただろう。
空港に向かうタクシーの中で、妹は俺の手を握りしめて離さなかった。
飛行機は3人掛けで隣が開いていたので、やっぱり手を握ってきて、
「人生の中で、今朝のが一番気持ち良かったかもしれない」と、耳元でささやく。
帰ってから、毎週末はどちらかの家に行き、互いの体を貪り合った。
そして最終的には行き来が面倒になり、俺のマンションで二人で暮らすことになった。
妹の住まいを処分したら結構な金額になったし、田舎の実家の土地も高く売れた。
妹は親戚に転居の知らせを送ったが、俺と同じ住所になったことを奇妙に思うかもしれない。
不思議なことに、長いこと離れ離れになっていた恋人同士が再会を果たしたかのように、二人とも互いが愛おしくてたまらない。
世間にはこんな歳で近親相姦に走る兄妹がいるのだろうか。