「姉貴、すごく濡れてる・・・」
思わず、僕がそうつぶやくと、姉は初めて恥ずかしそうに腕で顔を隠した。
暗くて見えにくかったが、ほとんど毎日、能面のようだった姉の顔に久しぶりの
表情を見た気がして、僕は、嬉しくなった。
「姉貴、気持ち良くしてあげるね」
僕は、姉にそう告げるとゆっくりと姉の股間に顔を埋めていった。
太ももの付け根を舐め、割れ目に沿って舌を這わせ、少しずつ姉の割れ目の合わせ
目を開いていった。やがて、僕の舌先がクリトリスに触れると、姉は、小さく、
「あっ」
と声を漏らして、体を震わせた。
「姉貴、気持ちいい?」
姉の突起を舌先でつつきながら、訊いてみたが、姉は何も言わなかった。
僕は、少し意地になって、姉の敏感そうなところを吸ってみたり、舌で転がしたり
しながら、姉の反応を窺った。姉は何も言わなかったが、体は明らかに反応してき
ていた。
「ん、ん、ん、ん」
押し殺したような声だったが、姉は目を閉じて明らかに感じていた。
そして、姉の声の間隔が短くなっていくのに合わせて、僕は舌の動きを激しくする
と、姉は僕の顔に腰を押し付けるようにすると、大きく体をしならせ、果てた。
「イった?」
何も答えないと思っていても、訊かずにはいられず、言ってみると、姉は、本当に
小さな声で一言、
「イった・・・」
と答えた。
これが、姉と3年ぶりに交わした、意味のある会話だった。僕は、本当にうれしく
なって添い寝をするように位置を変え、姉の細い体を後ろから抱きしめた。抱き
しめた瞬間、姉は深く息を吐き出して、僕の手に自分の手を重ねてきた。
僕は、姉に抱きついたまま、そのまま、まどろんでしまった。
しかし、ふと目を覚ました時、僕のペニスは再びギンギンだった。姉の体を仰向
けにして、足の間に体を滑り込ませると、ペニスの先で姉の入り口を探った。姉も
眠ったのかどうかわからなかったが、俺を無表情のまま見つめながら、それでも
わずかながら僕の脇腹をさすりあげるようにして、姉の中に入っていくのを促して
くれた。
姉の膣はとても暖かくて、やわらかくて、僕は脳が溶けてしまうのではないかと
思った。最初は、ゆっくりと出し入れしていたが、そのうちに何もわからない
くらい感じて、滅茶苦茶に姉を突いていた。
気づくと、姉も口が半開きになって、舌が覗いていたので、ディープキスをすると、
下からしがみ付いてきた。
「姉貴、感じてるの?」
腰を激しく振って、尋ねたが、姉が頷いたのかどうかも判らなかった。ただ、姉が
腹筋に力を込めるように首を持ち上げて体を痙攣させたのと、僕が姉の中に全てを
吐き出したのは、ほとんど同時だった。
姉から流れ出る精液の始末をして、姉に布団をかけると、僕は自分の部屋に戻って
いった。眠りに落ちる直前、僕は遠くでシャワーの音がするのを聞いた。
翌朝、姉は、元の何も言わない姉に戻っていた。
でも、ひとつだけ気がついた。姉は、うっすらと、本当にうっすらと、化粧を
していた。
「あら、さとみ、お化粧なんて久しぶりね」
母親が、そう言うのを聞いて、僕は初めてそのことに気付いたように、
「ホントだね。姉貴、何かいいことあったの?」
と言ってみたが、姉は表情を変えず、自分の部屋に戻っていってしまった。
その日は、仕事が手につかなくて、困った。気がつくと、姉のことばかり考えて
いる自分がいた。こんなにも、自分はお姉ちゃんっ子だったのだろうか・・・。
それとも昨夜のことが、そうさせているだけなのだろうか。
そんなことを考えているうちに終業時間迎え、家に戻ると、やはりそこには表情を
見せない姉がいた。昨日のことは、夢だったのかと思ったりもしたが、夜中になると、
僕はまた、姉のベッドに潜り込んでいた。
姉の体に触れたとき、僕は驚いた。姉は何も身に纏わず、ベッドに入っていたのだ。
僕が、布団を剥いで、ほとんど無意識にベッド脇のライトをつけると、姉は
自分の体ではなく、咄嗟に自分の顔を隠した。姉は、自分の裸よりも傷痕の残った
顔を見られるのを嫌ったのだ。
「姉貴、ゴメン」
そう言って、僕は姉に覆いかぶさって、姉を抱きしめた。できるだけ優しく、手を
顔から離そうとすると、左手は素直に離したものの、右手は目と頬を覆ったままだ。
「このままじゃ、キスもできないよ・・・」
そう言いながら、そっと頬に口づけをすると、姉は僕の首にしがみ付いてきた。
「見ないで」
呟くように、姉が声を発した。
僕は、そのまま手を伸ばして、ライトを一番暗くしたが、最後までは消さなかった。
事故の後、姉はずっと前髪を伸ばしている。そしてその髪で顔の右半分をいつも覆う
ようにしている。
「傷が気になるのは、わかるけど、姉貴、いまでも十分きれいだよ」
そう言って、僕は今夜も姉の中に入っていった。
もう遅いかとも思ったけど、姉を困らせたくなかったので、その日はゴムを用意して
おいた。
暫く姉は、無言のままだったが、少しずつ声が出てきた。
「うっ、うっ、うっ」
僕が突く度に姉の喉の奥から声が漏れだす。
顔の右半分を覆っていた手は、口を覆うようになり、声が漏れるのを懸命にこらえ
ていた。
やがて、姉が再び登り詰めようとしたしたとき、僕は姉から抜いた。
姉は明らかに、戸惑った表情をしていた。細かく口を動かして何か言おうとしている。
「姉貴・・・、僕の前で何もかもさらけ出せるようになったら、言ってね」
そう言うと僕は、自分のパジャマと下着を拾うと、自分の部屋に戻った。
さっきまで、姉の中で暴れていたものを鎮めるために、僕は自分で扱いて精液を
絞り出すと、そのまま、さっさと眠りについた。
明け方、僕は人の気配で、目を覚ました。
姉が僕のベッドに潜り込んできたのだ。
「シン、ごめん・・・」
掠れるような声で、姉はそういうと、僕にしがみついてきた。
「して・・・」
絞り出すような声でそういうと、僕のパジャマのボタンをはずし始めた。
「姉貴、待ってよ。」
姉の動きを制して、姉の体を引き寄せると、姉は僕の胸に熱い吐息を
はきかけ、子供みたいに言った。
「もう、私を抱きたいと思う人なんて、いないと思ってた・・・」
「そんな・・・」
「シンが来たとき、驚いたけど、嬉しかった」
口元に耳を寄せないと聞こえないくらいの声だったが、僕には辛うじて、そう
聞き取れた。
「だから、して・・・。抱いて。」
清楚な姉の言葉とは思えないことを、姉は僕にはっきりと告げた。
姉は、バジャマの上だけを着た状態で、下半身は裸のままだった。
僕は、姉の上半身を起こして、パジャマを脱がせると、自分も着衣を脱ぎ
捨てた。
それからは、姉のいたるところにキスをして、じっくりと燃え上がるのを
待った。
「シン、○×△・・・」
「何? 聞こえなかった」
本当は、聞こえていなくても、口の動きでわかっていたけれど、どうしても
姉の言葉を聞きたくて、そう言ってしまった。
「・・・シン・・・、中にイレて・・・」
今度は、はっきりとそう言うのが聞こえた。
ゴムをつけようとすると、姉は、
「そのままで、大丈夫」
「いいの? ホントにこのままでいいの?」
「昨日もそのままだったくせに・・・」
そういって、姉は少し笑うと、僕の腰を引き寄せた。
「あ、あ、あ・・・、シン、いいっ!」
姉は、狂ったようにもだえ、何度も何度も絶頂を迎えた。
そして、最後には、
「シン・・・、いく・・・、イク、イク、イクぅ!」
と叫び、エクスタシーを迎えると、いつまでもビクン、ビクンと体を
震わせていた。
それからの姉は、僕と一緒なら、少しずつ外出もするようになった。
心の傷が癒えるまで、僕は姉を抱き続ける。