尚哉は待てと言う。
いけないことだから嫌なのか。
そうではなかった。
『お父さん帰ってきたら』
時計を見たら、すでに六時に近かった。
確かに早ければ六時半くらいに帰宅する。
でも私に迷いはなかった。
『大丈夫』
私はそう言って、尚哉のペニスに腰を落とした。
脳や心臓が破裂しそうな、初めて感じる快感?みたいなものが、全身に突き刺さるような、体内から突きあげ、噴き出してきそうな。
尚哉は何かを私に必死に訴えているようだったが、私の耳には届かなかった。
尚哉が私の右手をガチッと掴んだ。
私は動くのを止めた。
『で……あ……』
尚哉はぎゅうっと強く目を瞑った。
ビビクン、ビビクン。
尚哉のペニスは、私の中で激しく動いた。
そのとき、私の頭はすぅ~っと白くなって、力が抜けた。
過去のセックスでは経験のない体感。
『お母さん、お母さん』
下から揺り動かれ、異様な虚脱感をおし、身体を起こした。
ぼ~っと時計を見た。
時計の針はほとんど動いていない。
僅か数分あったかないかの行為。
でも私は何時間もされたかのような、満足感みたいな感じを身体に感じた。
『ごめんね』
何故か自然に出たのがこの言葉。
『時間、それにお腹すいた』
こんないけない行為をしたのに、お腹すいたなんて。
ようやくの思いで腰を上げると、内ももにドロドロと白濁液が伝い落ちてきた。
それを拭き取り、ヨロヨロと私は階段を降り、部屋で着替えた。
尚哉も着替えて降りてきて、何事もなかったように、テレビを見ていた。
夕食の準備をしていた。
すると残っていた白濁液が、ドロリと出てきたのがわかった。
私は浴室に向かい、シャワーで流し、下着を取り替えた。
台所に戻ると尚哉が私に言った。
『大丈夫?あの…中だったでしょ』
『心配しないで』
ちょうど夕食の支度が終わった七時くらい、旦那が帰宅した。
前日したせいか、凄く私に優しく、そして上機嫌だった。
私はなんとなく落ち着かなかったが、そんな様子に旦那は気づかないようで、尚哉は実に落ち着いていた。
私の中にはまだ、尚哉のペニスの余韻が、ありありと残っていた。
旦那が入浴中、私は片付けをしていた。
すると尚哉がきて、私に聞いた。
『今日だけ?』
私は首を横に振ると、尚哉は恥ずかしそう笑顔を見せた。